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朝の朝礼が終わり、クラスの生徒たちは教室に戻り、授業の準備を整えていた。弥央は自分の席に着き、ノートと教科書を机の上に並べ、授業の開始を待つ。彼女の視線は、教室の前に立つ先生に向けられている。
そのとき、弥央の視線は隣の席に座る紗波に移る。紗波はすでに机に突っ伏しており、目を閉じてスヤスヤと寝ている。弥央はびっくりした様子で紗波を見つめ、内心で呆れる気持ちを抱いた。
「また…」と、弥央は小さくため息をつく。紗波は前日の夜遅くまで活動していたのだろうか、教科書が開かれている状態で寝てしまっている。クラスの他の生徒たちも、この光景に驚いた様子でちらちらと紗波を見ている。
先生が授業を始めると、教室が静かになる中で、紗波の寝息だけが静かに響く。弥央はその様子を見て、どうにかしようと考えたが、結局放置することに決めた。紗波が自分の選択であるなら、それも彼女の自由だと理解しているからだ。
弥央は気を取り直して、自分のノートに授業の内容を書き始める。授業が進む中で、時折紗波の寝息を聞きながら、彼女は内心で微笑んだ。紗波のリラックスした姿を見ることで、自分も少しだけ肩の力が抜ける感覚を覚える。
授業が終わり、休み時間が訪れると、弥央は紗波の方をちらっと見た。紗波は相変わらず熟睡している。弥央は静かに立ち上がり、紗波の机の上にメモを置いてから、教室を出ていった。
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