24話 魔王

ある夜、息子が風邪を引いたので急いで車で病院に向かっていた日のこと。

「どうしたの?」

「父さん、外に何か変なのが見えるよ」

「あれは霧だよ」

「父さん、変な声みたいなのが聞こえるよ」

「あれは葉っぱが揺れてる音だよ」

「父さん、あそこの暗がりに何か見えるよ」

「あれは古い木だよ」

「ゲホゲホッ!苦しくなってきた、風邪で死にそうだよ!」


その後、車を飛ばし病院へ急いだ。

やっと着いたな。

さて、息子を連れて行こう。




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