管理人様について②
編集部で確認を行った結果、先日大阪で起こった火事は、管理人様の住むアパートであったことが特定されました。管理人様の行方は依然として不明なままですが、編集部としてはこの事を見過ごすわけにはいかず、速やかに取材班を現場に向かわせました。その結果、あのアパートの住人である女性に話を伺うことが叶いました。以下、その取材内容を文字に起こしたものです。
――――――――――
編集部「火事が起こった時、あなたはどちらにいらっしゃいましたか?」
住人「それが、たまたま買い物に行っててここにはいなかったんですよ。不幸中の幸いって言うんですかね…」
編集部「それは本当に良かったです」
住人「ありがとうございます」
編集部「それで、一つお聞きしたいのですが、このアパートには○○【管理人様の氏名】さんがお住みでしたよね?ずっと連絡が取れなくて困っているのですが、なにかご存じのことはありませんでしょうか?」
住人「○○さんの事ですか…。あいさつ程度にしか接点はないんですけど…」
編集部「彼の様子、特に最近はどんな様子だったかご存じありませんか??」
住人「いやそれが…。うーん、あんまりこういう言い方はよくないのかもしれないんですけど、ちょっとおかしくなってたっていうか、なんというか…」
編集部「おかしく?」
住人「ほんと、ついこの間までは普通のさわやかな男性だったんです。Webデザイナー?か何かをされているんですよね?以前ゴミ出しの時に会った時とかはその事を嬉しそうにお話されたりしてました。ただ、ここ最近はどうも様子がおかしかったっていうか…。こっちが挨拶してもにらみ返してきたり、夜中に急に大声を上げ始めたり…。それならまだよかったんですが、漬物か何かをドアノブにたらし始めたり、虫の頭だけをアパートの中にばらまき始めたりして…。ゴミを廊下に広げたかと思ったら、その場にひざまずいてそれを一生懸命かき集め始めたりして…。ちょっと目を合わせるのも怖かったくらいですね…」
編集部「そうでしたか…。○○さんの行動はどこか広く全員に向けて行われているように見受けられますが、中にはあなたが直接的に嫌がらせを受けたことなどもあったのですか?」
住人「はい…。玄関のドアに変な落書きをされたり、「アンキュウにするんだろ!そうなんだろ!」ってものすごい剣幕で叫ばれたりしました…。それも私だけじゃなくって、他の人もいろいろと被害に遭ってたみたいで…。大家さんに相談はしたんですけど、あんまり改善もされずで…」
編集部「では、これはお答えになりづらかったらスルーしていただいてもいいのですが、今回の火事を起こしたのは○○さんであると思っていますか?」
住人「…正直、分かりません…。でも、ここに住んでた人はみんなそうなんじゃ以下って思ってると思います。ちょっと○○さん、精神的に不安定と言うか、病気のように見えたというか、そういう印象はみんなあったと思うので…」
――――――――――
管理人様が火事にどうかかわっているか、現段階では不明のままです。しかし管理人様の最近の様子がおかしくなっていたことは明らかであり、編集部としては管理人様の消息を気にかけずにはいられません。編集部ではこれまで通り、管理人様に関する進展が確認され次第、公式ホームページ上にて随時発表を行う所存です。
なお、今回我々編集部が取材を行った方の名字はXXであったことをここに記します。
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