第56話 弐瓶勉『タワーダンジョン』
弐瓶勉の『タワーダンジョン』を既刊四巻まで読んだ。
おそらく現在あらゆるメディアに登場するダークファンタジー物の最高峰であろう。
『ベルセルク』もジャンルとしてはダークファンタジーに分類されるが、自分はむしろホラー・アクション物の要素が強いと思う。
ファンタジックな要素より、時代の(無意識の)寓意性がより強いとも感じる。
また主人公ガッツは日本の時代劇とくに黒澤明の影響を強く受けているように見える。
タワー~では思念結びの指輪や日記を使った通信など小道具が実にいい味を出している。
また主人公の若者ユーヴァがいい。
茫洋とした田舎者っぽい雰囲気の若者だが、典型的な気は優しくて力持ちなキャラで、ダークな世界にユーヴァの無垢が閃光のような輝きを放っている。
この一見頼りない若者と、魔法使いの美少女と騎士が、塔のいただきにとらわれた王国の姫を救うため邪悪と怪奇が待ち受ける竜の塔(タワーダンジョン)に潜入する。
この展開はたまらない!
白黒映画のように鮮烈な黒の使い方や、つげ義春を連想するオノマトペ(擬音)のデザインもおもしろい。
敵の死霊術士やカラーシュ伯爵が邪悪極まりないのもいい。
まだ四巻だからすぐ追いつける。
絶対の自信を持っておすすめする大傑作ファンタジーです。
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