第14話
14話
ユキの倒したドロイドがリーダー格だった様でニコルが引き止めていたドロイドをユキが次々と破壊
私達は後ろで灰色の壁を登っていたドロイドを撃ち落としたり
隠れていたドロイドを妨害、殲滅し
なんとかこの場を収めたのだった
「ふぅ……お疲れ〜ユキ〜」
「セレナもお疲れ、さっきの援護助かったよ、ナギサもありがとう」
「当然の事をしただけだ」
「ニコルもありがとうねドロイドの相手をしてくれて」
「私の攻撃じゃトドメを刺すには少し難しかったからね、でもセレナ達が居てくれて本当に良かったよ、居なかったら如何なっていた事か……」
そんなこんなで皆で集まり談笑していると
施設アナウンスが鳴り響く
「敵対勢力の撤退を確認しました、防衛部隊は近くの負傷者を回収し点呼の後兵舎へ帰投してください」
それは戦いの終わりを知らせるものだった
私達は本当に終わったのだと安堵し施設へと向かった
「いやぁ〜メアリーにまさかドローンを操縦する技術があったとは」
「はい、実戦では無力なので何とかしろと言われたので後方支援ドローン免許を取得しました」
「へぇ〜それはすごい、」
後方支援特化であるナギサとメアリーは直ぐに打ち解けたようだ
私とニコルはメンバーが馴染んだ事に安堵し微笑み合っていた
「それにしても大事になって来たね……」
ユキが話を切り出した
「まさか魔人が戦闘に加わっているだなんて……あれは恐らく白銀旅団かな、それとポーツマス条約機構まで来るだなんて」
魔人……
私達過去では魔界人の人形の存在全体を指す言葉だったがとある大規模な戦争後からはその敗残兵や魔人と混血の存在を指す言葉である
そして白銀旅団はそんな魔人を扇動し
私達魔界人と戦争を手動した魔界神の館であり魔界の秩序、神魔殿への復讐を目的としている組織だ
ポーツマス通商条約機構通称ポーツマスはイギリスの企業アメジスト社と魔界の企業であるCSS社が共同で設立した自由貿易機関……
しかし目的とは裏腹に加盟企業を増やすため未加入企業等を攻撃し無理やり加盟させ金を搾取する組織とされ悪名高い
本来この2つの組織が共同戦線を持つ何て事は無い
それ程私達の居るアヴァンギャルド社が重要な何かを保有していると事なのだろう……
空気を破壊したのはニコルだった
「まぁまぁ!私達は迎撃するのが任務なんだし!今はそんな話題やめようよ」
「まぁそうだね、私達はやれと言われた事をやるだけだから」
私はニコルに同意する
「そろそろ食事の時間じゃないのか?」
ナギサが呟く
「それもそうね!戦ったからお腹ペコペコだよ〜」
「私もお腹空いたかも知れないです……」
「メアリーも?確かにこうやってリラックスすると空腹感が……」
そんな雑談をしているとアナウンスが流れ出す
「食事の用意が完了したので〜、業務を終了した者は点呼の後食堂へ向かってください」
「おっ!始まったな、昼食の時間が」
「それじゃあ一応点呼しよっか」
ニコルは全員の名を呼び誰一人欠けていない事を確認した
「それじゃあ食堂へ行こうか」
私達は部屋を出るニコルの後を追い歩く
襲撃者を退けたからか施設内には笑顔が戻っており職員と思しき人達は変わらず忙しそうにしていた
「そう言えばユキちゃん」
「ん?」
「あの薙刀すっごくかっこよかったよ!あのドロイド、結構強くて有名なんだけどねぇ〜」
「あぁ〜まぁ近接戦闘に関しては一通り心得があるよ、昔強制的に修練させられたからね……」
「まさかポーツマス条約機構の3級ドロイドが出てくるとはな……正直想定外だった」
「ねぇナギサ?あれ本当に3級?なんか異様に強かった気がするんだけど……」
「ユキが相手したのは改造された奴だな、性能的には4級に限りなく近い……」
「でも何故そんな物がここに……」
「私とアレクセイ閣下を始末するためだろうね〜」
ニコルが話し始める
「私、ここに来る前はポーツマス条約機構で兵器開発局の警備チーフとして働いてたんだ」
「……」
「まぁそんな因縁もあるし、他の前哨基地は最初の奇襲で殆ど陥落したのに私達とアレクセイ閣下はこの前哨基地で2ヶ月位攻勢に耐えているからそれが一番の理由だろうね」
「正直3級なんてちょっと強い一般人に向けるものじゃない、あれは虐殺する為の物その思惑もセレナ達のおかげで消え去ったよあんな強いドロイドそうポンポンと出せる物じゃない、痛手にはなったでしょ」
「ポーツマスのドロイドってそんなに高いの?」
単純な疑問をユキが口にする
「まぁ位によるが高いと言えば高いだろうな、3級に関しては能力は普通の魔界人じゃ太刀打ちできない、だからこそ能力を維持する部品も高価だ」
「あらゆる兵器が一瞬で消耗される戦場に持ってくる事は極めて稀だ、4級や5級までではないが通常は要人警護や施設の警備、陣地内のゲリラの掃討に使われる」
「へぇ〜」
そんな感じで雑談をしていると遂に食堂に到着し大きな扉が私達を出迎える
「わ、わぁ……」
扉が開くと目の前一面に広がるのは大きく長いテーブル
そして軍服を着た職員たちが沢山おり奥には積まれた食材達が並んでいる
「ここはな、バイキング形式なんだ、好きな物を好きなだけ取って食べる」
「食事は兵士の指揮に直結するって言うアレクセイ閣下の意思なんだよね」
「へぇ〜ちょっと、凄すぎて言葉を失うよ」
私は目の前の圧倒的な光景に言葉を失っていた
「おーいこっちだぞ」
ナギサの声で正気に戻った私は皆の方へと走り寄る
「私はこの海老でも食べようかな」
「へぇ〜ナギサ海老食べられるんだね」
「私は好きだぞ?海老、戦闘食に海老を固めた物を頼む位にはな」
「美味しいの?」
「勿論だとも、まぁ原型の食感はなく人によっては嘔吐するらしいが……」
「……」
「まぁまぁ、さぁ!食事を行おう!」
私達は各々提供されている食事から食べたい物を選び椅子に座る
「ピザか、いいセンスじゃないか」
ナギサ溢れそうな程の海老を皿に乗せユキは大きなピザを持って来た
「私とメアリーはこのローストビーフとパイかな」
「最後は私かな?」
最後にニコルが食卓に置いたものは
大きな鍋であった
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