第10話

10「こんにちわ」と僕は考えもなしに声をかけた。

気づいた少女はにこりと笑って「こんにちわ」と応えてくれた。何をしているのと聞くと土鳩達が寝泊まりしてる神社の木々の下に溜まる糞尿を取り除くために雑巾で拭いているのだと教えてくれた。「鳩達は夕方に餌とねぐらにつく為に、帰ってきますよ」と拭き掃除に励んでる少女を見て、清清しい、美しいと自然に想った。気がついたら「手伝うよ」と僕は鳩達の石畳への糞尿を拭き掃除する手伝いをしていた。話題もまだ無いので真剣にもくもくと掃除にいそしんだ。そして半分の時間で掃除を終えた少女と僕は、彼女が用意した神社の砂利にひかれたブルーシートに寝転がった。「ありがとうございます」と嬉しそうに笑う彼女に僕も嬉しかった。

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