第6話:謎の首筋の傷。
「風呂沸かしてやるから入ればいい・・・」
「ふろ?・・・ってなに?」
「え?風呂も知らないのか・・・君の星にはないのかな」
「体の汚れを落としたり、体を洗ったり、暖かいお湯につかったり・・・」
「あ〜あるよ・・・それがふろって言うんだら・・・
「それはちゃんと入るよ・・・ 入らないと腐っちゃうからね・・・」
「そうか・・・それじゃ教えなくていいな・・・助かった」
脱衣場じゃないところで勝手に服脱がれたりしたら困るし・・・。
「その買い物の中にスイーツ買っておいたから・・・風呂から出たらオレンジ
飲みながらでも食べな・・・」
ケチャップはコンビニの袋から、美味そうなスイーツを取り出した。
「おほほ〜・・・美味しそう」
「俺の分とふたつ買ってあるから、仲良く食べよう」
「ほんじゃ・・・ふろ?入ってくるね・・・」
って言って風呂に入って行ったんだけど・・・ケチャップの入浴時間は、めちゃ
長かった。
約、3時間くらい出て来ない・・・。
(風呂で何してんだよ・・・のぼせちゃうぞ・・・)
(体洗うったって・・・どこ洗ってるんだよ、長すぎないか?・・・ギャルって
そんなもんなのか?)
待って、待って、ようやく風呂からケチャップが出てきた。
出てきたのはいいが、裸のままキッチンにやってきた。
俺は飲みかけのオレンジジュースを吹き出しそうになった。
「おいおい、なにストリップしてんだよ、せめてブラとパンツくらい履けよ」
「そんなもの最初っから履いてないもん」
「あ、そう言やそうか・・・悪い」
「じゃま〜フリチンでもいいわ・・・あ〜じゃくてフリマ・・・・」
「いいから、座れ」
そうして俺とケチャップはスイーツを食べてオレンジを飲んで彼女が寝る前に
俺は風呂に入ってから、ケチャップのための部屋に連れて行ってやった。
「おやすみケチャップ・・・」
「私、一人で寝る?」
「そうだよ、そのほうがゆっくり眠れるだろ?」
「ケイスケと一緒に寝ちゃいけない?・・・・」
「え〜・・・一人で寝たほうがリラックスできると思うけどな〜」
「一緒じゃなきゃ、ヤダ・・・だって寂しいもん、ホームシックだもん」
「ホームシックって・・・まじでか?」
「まじまじ・・・ね、一緒に寝よ・・・なんにもしないから」
「それはどっちかっつうと俺のセリフじゃないか?」
で、しようがないからケチャップを俺のベッドに寝かせた。
「触るな、触るな・・・ごそごそしないで早く寝ろよ」
「おまえな〜まだ裸のままなんだぞ?」
「お、おやすみケイスケ」
「はいはい、おやすみ・・・」
ケチャップは俺と同じベッドで寝た、異星人とは言え相手は女だし・・・異星人
であっても、たぶん体の構造だって人間と変わんないだろうし、ならセックスだってできるだろうし・・・こういう場合、交流ってことなんだから何もしないってのは
かえって失礼なのかな?・・・性交流ってのはマズいのかな?
とは思ったけど、まあ当然その夜は何もないわけで、まんじりともせずケチャップ
と寝た。
で、問題は次の朝のことだった。
朝、目を覚ますとすでにケチャップはベッドにいなかった。
俺も起きて歯を磨こうと洗面所へ行ったんだ・・・顔を洗って鏡を見た・・・・
そしたら俺の首筋に、二個・・・なにかに刺されたかしたみたいな傷跡が・・・
くっきり・・・。
なんだこれって触ってみたら、少し痛い・・・
訳が分からないまま、とくに深くも考えず傷口に薬だけ塗って朝食を食べて
会社へでかけることにした。
「じゃ〜俺、会社へ行ってくるから・・・ちゃんと留守番しててよ」
「仕事終わったら買い物して一直線で帰ってくるから・・・」
「いい?ひとりで外には出ないこと・・・なんならテレビでも見てな・・・」
ケチャップひとり残して会社へ行くのは、後ろ髪引かれる思い・・・気がかりで
しょうがなかったけど、しかたない。
二三日ならいいけど一ヶ月も会社、休めないし・・・。
いっそ会社辞めるか・・・生活費は親父が送ってくれてるし・・・贅沢さえしな
きゃ食っていけるだろ・・・。
ケチャップが自分の星に帰ったら、また就職活動したらいいや・・・。
いい考えだと思った・・・そしたら24時間ケチャップといられるし・・・。
そしてその夜、なんで俺の首筋に傷跡が残ってるのか、その原因が分かることに
なるんだな。
つづく。
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