番外編 大規模クラウン"ノア"入団試験 二十八
軽い朝食を済ませ、会場に訪れる。
決勝戦が終わるまで開式の合図みたいなのは二次試験にはない。
だから、時間になったらそのままスタートだ。
俺「待ち合わせは、出入り口付近で良かったよな…」
石造りの壁に寄り掛かりながら、今日の対戦をイメージする。
俺が唯一上回っていると感じたのは走力だ。
これを活かす策があればいいが…そう簡単には思い付かない。
ユウコ「リュウト〜!」
手を振りながらこっちに近づいてくるユウコ。
軽く俺も手を振り返す。
ユウコ「お待たせ!」
俺「お〜っす、あれ二人は?」
ユウコ「少し遅れるーって」
俺「オッケ」
闘技場受付から、受付し中に入る。
そのままユウコは待合室へ行き、俺は昨日と同じ席に向かう。
水筒に入れたお茶を飲む、もう中身が生温くなっていた。前世の魔法瓶が恋しいものだ。
リューナ「リュウト…」
俺「うお!」
あやうく茶を落とすとこだった。
マナ「リュウトさん、おはようございます」
リューナ「おはよう…」
俺「おう、おはよう」
二人は食事を買ってきたようだ、ここの飯は高いからだろう。
リューナ「リュウトは何試合目?」
俺「俺はユウコの次だな、つまり2試合目」
リューナ「…頑張れ」
マナ「頑張って下さい!」
俺「おう!ありがとな!」
係員「白線の内側に入って下さ〜い」
昨日と同じ様に係員が言って回ってる。
マナ「じゃあまた後で」
俺「あぁ、また後で」
リューナ「……」
無言でグッチョブしてくるリューナ、俺もグッチョブで応戦する。
二人が去り、また一人になる。
あれから何度もレインに勝つ方法を考えたが何も浮かばない…というかアイツに勝つイメージすら湧かない。
どうしたもんか…
ウダウダしてたら、ユウコの試合が始まっていた。
切り替えて試合でも見よう。
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