番外編 大規模クラウン"ノア"入団試験 二十五

歩きながら、来た道を戻る。さっきまで神経を研ぎ澄ませてたのが一転、自分がどう歩いているかも分からない、もしかしたら歩いてさえいなかったかもしれない。

自分の体が自分じゃないみたいだ。


角を曲がり、元の受付に戻る。

受付嬢「お疲れ様でした」

俺「あ〜、ありがとうございます」

フワフワとした気持ちのまま、ユウコの居る席に歩いて行く。

階段を登り、観覧席に戻る。


視界にユウコが映る


…ん?


無言のままユウコに近づく。

ユウコ「あっ!リュウト!一回戦突破おめでとう!」

俺「お、おう」


こいつ…


めちゃくちゃ闘技場満喫してやがる

肉に魚にご飯物、闘ったばかりなのに良くこんな食えるな。


ユウコ「リュウトもいる?」

俺「いや、遠慮しとく」

ユウコ「リュウト、そういや応援聞こえとった?」

俺「いや、集中してたから聞こえてないな」

ユウコ「そっか〜」

応援というのは、プレーしている人からはあまり聞かれてないからな〜、効果があるか謎だか応援してくれていたとういう事実はありがたい。


そう思った矢先だ。


人が ひしゃげけて 飛んできた


腕と言っても良いかも分からない程、180°曲がっている。


近づくも出来る事がない、俺が使える回復魔法はそこまで豊富じゃないしここまで酷いと変に動かすと自体が悪化しかねない。

俺(スキル発動 アイス)

氷で血を凍らせる、血が漏れ出ない為の応急処置だ。

多少筋肉も凍らせるが、死ぬよかマシだろう。


係員に案内され、救急斑がドタバタとやって来た。

タンカーに乗せられ、連れて行かれる彼。

急いで中央にいる彼の対戦相手をみる。


金髪に碧眼、物語の王道主人公を体現したかの男


俺「っ…!」


ーレイン



俺「…天才ってのは、もっと歓声の中に居るかと思ったよ」

そこにあるのは



恐怖に蝕まれた静寂だった





コソコソ話

実はこの物語の主人公の生年月日は少し考えたら分かる様になっています。主人公の生年月日のヒント?は前回の話にありますので、是非考えて見て下さい!

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