第5話 製鉄

『『『ゴキュ!ゴキュ!ゴキュ!ゴキュ!』』』




 地獄のようなチームプレーでクソ元気に岩盤を砕き、石材を切り出し、鉱物を精錬する青グソたち。およそゲーム的に言えば重大なバグか、そうでなければ熱射病患者の幻覚のようにしか見えない光景を前にして、俺は世紀末を想起する。




「何か既視感があると思えばベルトコンベアーか。そんな上等なもので例えるのもアレだが」




 ゴチてるのか愚痴ってるのか自分でも良く分からないが、身体の膜を器用に溶かし合わせて連結させる奴らには、不快ながら感心を覚えた。




 スキルで捕らえた魔物はイメージングで使役できる、というのは偶発的に知った情報だが、改めて例のディスプレイでスキルの詳細を確認すると平然とそのことが追記されていた。あれは俺の大好きなDRPGで例えればマップのような存在で、どうやら百科事典のように隅々まで情報の行き届いた親切設計ではないらしい。




「何やってるんだ、あいつら?」




 言い訳をすると、俺は奴らが分業して労働する姿のみをイメージした訳で、奴らのために詳細で遠大な計画を思案した記憶は無い。だから、奴らが石材を滑らかに研磨して都市めいた建築物を築こうとしているのも、窓枠と家具で無機質なインテリアを整えてるのも一切関与していない!




「使い道ないだろ、これ」




 どうやら雑多なイメージをしたせいか俺の過去の記憶が混在してるようで、某映画で見た孤島の上の研究所や、俺の務めた会社のオフィスを再現しようとしてるらしい。建材は切り出した石材のみを使っているようで、無駄に倹約している。




 いや、それは奴らが使い道を知らなかったからか……何か、また余計なことをイメージしてしまった気がする。奴ら、出来立ての会議室めいた建造物で会議してやがる。猿真似かスライム真似か知らんが、碌なことにならなそうだ。




「……探索に出るか」




 ディスプレイによれば、西の渓谷にダンジョンコアというものが創造されたらしい。こいつらに留守を頼むのは癪だが、そもそも俺の縄張りでもないし気にすることではない。ちょっとした気晴r……勝手に磁鉄でコンパス作って持ってくるんじゃねぇ!

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