【🏆️100万PV祈願!】最弱の魔物に転生したのでスキル《ダンジョンマスター》で防御力カンストします 〜滅茶苦茶鍛えた万能スキルツリーでいつの間にか『魔王』になってました〜

猫瀬キョウセイ

序章

プロローグ

 「ハァ……急なパソコンの故障でデータはお釈迦になるし……道路の崩落事故で取引先との面談に遅れるし……今日はツイてないぜ……」




 一日を振り返って嫌な気分になった俺は、そんな日々の癒やしとなっていたDダンジョンRPGゲームを遊ぶために帰路を急いでいた。




 「む……?」




 すると、前方からこちらに向かって真っしぐらに走る人影に気がついた。体格から男だと分かるが、目は血走り、息は切れ、様子は明らかに平常でない。




 「はぁ…はぁ…」




 そして、段々とそのスピードを速めると、俺と目を合わせてきた。




 「お、お前だな、俺のことを毎日毎日監視しやがって……!」




 『何か御用ですか?』と声を掛けようとした矢先、そいつは叫んだ。そして……




 「お、お前が悪いんだからな!!」




 「ぐひっ!?」




 衣嚢から取り出した出刃包丁で、俺の鳩尾を突き刺した!




 「い……い……」




 『痛ぇ!!!』と叫び声をあげようとするが、刺された衝撃か喉が使い物にならない。




 「うぎゃっ!?な、何をしやがる!やめろ!――」




 薄れゆく意識の中、どうやら窓から一連の騒ぎを見ていたらしい住民が飛び出し、即座に犯人を取り押さえたことが分かった。だが、今から救急車を呼んだとしても、もう手遅れだろう。




 あぁ、最期に、あのDRPGを攻略したかった――――




 ――――今際の際までそんなことを考えながら、俺は死んだ。

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