題名作文
藤原琉堵
第1幕
真夜中の喧噪を聞きながら、窓から空を見上げると、少し翳り始めた月が、静かに街を照らしていた。
その光を遮断するように、カーテンを閉めて、部屋の隅に目をやる。
そこには、君のもとへ届くようにと書きためた、宛名の無い手紙が積まれていた。
いつか交わした夢の約束は、記憶の彼方へと、置き忘れてきてしまったようだ。
僕らの道は、本当は平行線であったなどと、気付かぬ振りをし続けてた。
振り返った先に君は居なく、自分が歩いてきた道だけが残っていた。
どうやら迷子らしい。
行く宛も、帰る場所も解らなくなってしまった。
まるで、太陽に近付きすぎて羽根を奪われた、イカロスにでもなったような気分だ。
□
月
君のもとへ
夢の約束
僕らの道
イカロス
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます