題名作文

藤原琉堵

第1幕

真夜中の喧噪を聞きながら、窓から空を見上げると、少し翳り始めた月が、静かに街を照らしていた。

その光を遮断するように、カーテンを閉めて、部屋の隅に目をやる。

そこには、君のもとへ届くようにと書きためた、宛名の無い手紙が積まれていた。

いつか交わした夢の約束は、記憶の彼方へと、置き忘れてきてしまったようだ。

僕らの道は、本当は平行線であったなどと、気付かぬ振りをし続けてた。

振り返った先に君は居なく、自分が歩いてきた道だけが残っていた。

どうやら迷子らしい。

行く宛も、帰る場所も解らなくなってしまった。

まるで、太陽に近付きすぎて羽根を奪われた、イカロスにでもなったような気分だ。



君のもとへ

夢の約束

僕らの道

イカロス

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