傘歌

傘を差した君の後ろ姿が 僕には濡れてるように見えた

君に居て欲しいって そう思ってるんだ

僕はさ 未だにあの日の言葉に縛られてるんだね

君に会いたい 本気でそう思うんだ


朝起きたら曇り空 雨でも降るのかな

君からの着信 今日は休むのかい

まぁ別に問題は無いさ


僕はいつも通りに いつも通りの電車に乗った

片道2時間の道のり 君まではどれくらいかかるのかな


僕にはさ もう傘なんて意味は無いんだな

君はもう僕の隣には居ないんだ

いつも君が乗ってくる駅は 今日は何だか寂しい

そんなふうに思うのは 君が居ないから


ぴったり2時間で 見慣れた駅に着いた

改札で友達にさ 「今日は一人なのか」って言われたよ

僕は静かに頷いた


目の前の水溜まりはさ 雨雲を映してるよ

空までの距離が君までの距離みたい

飛び込む勇気は無いんだ


君にはさ 僕の傘なんて意味は無いんだな

君はもう僕の隣には居ないんだ

教室から見上げた空は泣きそうで 何だか僕の心みたい

君は隣に居ないんだ


駅に着いたら雨が降り出した

君は僕に電話したよ

「会いたいな」って言う君に

僕は何も答えられなかった


君が僕に言った言葉は

まだ僕をこの場に留まらせてるよ

僕は君に答えることはできないんだ

僕の声は 雨の中でしか響かないから

君に会いたいな


僕にはさ もう傘なんて意味は無いんだな

君はもう僕の隣には居ないんだ

僕はさ 未だにあの日の言葉に縛られてるんだね

君に会いたい 本気でそう思うんだ

君に居て欲しいって そう思ってるんだ

君にそっとキスをしたあの日を 今でも覚えてるよ

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