第32話 先生達と海水浴に

「んーーーっ! 良い潮風ね」


 翌日、朝食を食べた後、四人で近くの海岸に行き、潮風を満喫しながら青い海を眺める。


 穴場のビーチで人も少なく、ここでのんびりと海水浴を満喫出来ると、彩子もすみれも目を輝かせていた。


「わーい、今日は拓雄君と一緒に海水浴♪ 先生、すっごく嬉しいなあ。あ、水着、着替えてくるから待っててね」


「はい」


 三人が水着に着替える為に近くの更衣室に行き、拓雄も男子更衣室へ行って、水着へと着替える。


 彼女らの水着を見るのは初めてではないが、やはり楽しみであり、想像しただけで胸が熱くなっていったのであった。




「じゃーーん、どう?」


 水着に着替え終えた三人が、拓雄の前に現れて、それぞれ自身の水着姿を披露する。


 彩子とすみれはビキニで、ユリアは白いビキニに腰にパレオを巻き、麦藁帽子を被っていて、それぞれとても似合っており、夏の陽射しを浴びていた彼女らの水着姿は、まるでグラビアでも見ているかのように刺激的で色っぽく、拓雄も見惚れるほどであった。


「へへ、どうかしら? 似合ってるでしょう?」


「あ、はい……」


「むう。何、その微妙な反応? 爆乳美人教師様が、あんたに特別に水着姿を披露してやってるってのに、目を逸らしたりして」


「い、痛いです!」


 目を逸らしたのが気に入らなかったのか、すみれが拓雄を羽交い絞めにして首を締め付け、更に背中に自身の胸を押し付けていく。


 すみれの豊かな胸が背に密着しているのを感じて、拓雄もドキドキしてしまい、顔を真っ赤にしながらもがいていた。


「もう、暴力はだめですよ、すみれ先生!」


「はいはい。んじゃ、早速、一泳ぎしてくるわ。ほら、ユリア先生も」


「あ、ちょっと」


 先ほどから、じっと三人を眺めていたユリアの手をすみれが引いて、海へと連れ出し、彩子と拓雄も続いていく。


 こんなに青く綺麗な海は、拓雄も久しぶりに見たので、ウキウキしてしまい、彼女らと一緒に海に飛び込んでいったのであった。




「きゃんっ! もう、すみれ先生、やめてくださいよー」


「へへ、隙があり過ぎです、真中先生♪」


 海に入ると、すみれが彩子やユリアに海水をかけ、大はしゃぎし、拓雄も彼女らのそんな姿を見ながら、海を泳いでいく。


 海水浴は数年ぶりだったので、彼もあまり慣れてはいなかったが、海に潜って、海底を眺めながら泳いでいき、


「拓雄君、泳ぐの上手いのね」


「いえ、普通ですよ」


 拓雄が海を泳いでいるのを見て、ユリアも素直に感心しながらそう言うと、彼の手を引き、


「私、海水浴にあまり慣れてないの。この辺、サメが出るらしいから、いざと言う時は、あなたが守って欲しい」


「サ、サメが出るんですか? 無理ですよ、一緒に逃げましょうよ」


 本当か嘘か、サメが出ると聞いて、拓雄もビックリしてしまい、青くなるが、そんな彼を見てくすっと微笑み、


「大丈夫よ。数年に一回くらいらしいから」


「でも、出るんですよね……」


「そんなに遠くまで行かなければ大丈夫だわ。んじゃ、ちょっと上がろうかしら」


「あーー! ユリアちゃん、拓雄君と手を繋いでるっ!」


 拓雄と手を繋ぎながら、海岸に上がろうとしていたユリアを見て、彩子も彼女らの所に叫んで駆け寄る。


「もう、私も繋いじゃうんだから。先生もサメ、怖いわあ。拓雄君、一緒に上がりましょう」


「は、はい」


 彼の腕を組んで、甘えた声でそう言い、さり気なくユリアも拓雄の腕を組んで、二人に密着されながら、ビーチへ戻る。


 とにかく、何かあるたびに、拓雄に密着しようとする三人にも慣れてしまっていた彼だが、それでも腕に胸が密着すると、意識してしまい、昂ぶりを覚えずにはいられなかったのであった。




「拓雄ー、サンオイル塗ってちょうだい」


ビーチに上がり、シートの上で仰向けになったすみれが、背中を拓雄に差し出してサンオイルを塗るよう命令する。


「定番過ぎますね、そのシーン。次は私もお願い」


「私も」


「は、はい」


 すみれに続いて、ユリアと彩子も仰向けになって、細くくびれのある背中を曝け出し、サンオイルを塗るよう頼むと、拓雄もビンからオイルを出して、


「手でオイルを擦って暖めてから塗るのよ。そうそう。きゃんっ♪ もう、もっとゆっくりしなさい」


 言われた通り、オイルをすみれの背中に塗っていき、すみれも心地良い表情をして、生徒の奉仕に身を委ねる。


 男子生徒にこんなことをさせているのがバレたら、問題になりそうだが、そんなスリルを味わいながら、すみれも拓雄に肌を触れられて、むしろ気分が良くなってしまい、時に甘い声を上げて、日光浴を満喫していたのであった。


「次、私、私ー」


「あ、はい」


 今度は彩子の背中にサンオイルを塗っていき、ぎこちない手つきでヌルヌルしたオイルを塗っていく。


「あ、やあんっ! もっと、下……太股もお願いー」


「う……はい……」


 彩子に促され、太股にもサンオイルを塗っていき、柔らかい股肉を手で感じながら、オイルを慎重に塗っていく拓雄。


 彼に直に肌を触れられ、彩子もゾクゾクと興奮してしまい、いけない事をしていると言う背徳感で胸が熱くなっていた。




「次は私よ」


「はい……」


 今度はユリアの番となり、か細く白くて美しいユリアの背中にしばし見とれる拓雄。


 他の二人よりも更に繊細で触ってだけで、崩れ落ちそうなユリアの背中であったが、それでも彼女のためとオイルを塗っていき、ユリアも時折、顔をしかめて甘い声を上げそうになっていた。


「ん、んん……これで良いですか?」


「ええ、ありがとう。それにしても、今日は陽射しが強いわね。あなたも日焼けには気をつけなさい。そこに日焼け止めあるから、塗った方が良いわよ」


「はい」


 と言っても、既に日焼けをしてしまっているので、手遅れだと思っていたが、しないよりはマシだと、拓雄も日焼け止めを手に取ると、


「せ、先生が背中に塗ってあげるね。ほら、拓雄君っ!」


「え? あ……」


 彩子がチャンスとばかりに立ち上がって、日焼け止めを彼から取り、ジェルを出して、彼を座らせる。




「さあ、先生がヌリヌリしてあげるからねー」


「あ、あの……ふわっ!」


 と言いながら、彩子が手で彼の背中に日焼け止めを塗っていき、しかもその勢いで彼の背中に抱きついていく。


「あん、ごめんなさい。体が滑っちゃったわ♪」


「彩子先生、相変わらずの淫乱っぷりね」


「全く。先が思いやられるわ」


 二人が見ている前でも堂々とスキンシップをしていく彩子を呆れながら見ていたが、積極的に止める事もせず、ユリアもすみれもバカンスをのんびりと楽しんでいく。


 四人の旅行はまだ序盤であり、彼女らとの距離は更に縮まっていったのであった。

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