ディスクについて

 2022年10月25日

 この日、ディスクが送られてきた。タイトルは「20191020B」10月3日に届いた動画の続きなのだろうか。精神的に追いやられている中、恐る恐る再生する。

 前回と同じ白装束の人たちが円になるように立っている。やっぱり続きだ。白装束の人たちは目を閉じ手を合わせている。数分無音が続いたが突然、太鼓の音がなった。同時に笛の音色も聞こえた。それに合わせて人々は奇妙に踊り出す。

 太鼓と笛の音色で思い出した。それは、アクティビティ施設に行った時、近くの公園で聞いたのと同じだった。しばらく踊りの風景が流れている。場面が切り替わり室内になった。一人の男が椅子に座り手を合わせつぶやいている。すると、もう一人の男が椅子に座った男を目隠しし、さらに両手足を縛っている場面が流れた。

 その時、私は悲鳴を上げた。もう一人の男は、なんとあのアクティビティ施設の支配人だったからだ。唖然としたまま、動画の行方を見守る。

 両手足を縛られた男は、体ごと別の部屋へ運びこまれている。薄暗くてよく分からない。動画はここで終わった。

 私はある仮説を立てた。私たちの身の回りで起きた怪現象は、この祭りのような儀式から生まれたものではないのか。そのキーとなる人物は、アクティビティ施設の支配人。ようやく結末がみえてきたような気がした。急遽明日、アポ無しで向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る