サイレン

2022年7月6日

 夜中、家にいるとサイレンが聞こえた。どうやら消防車らしい。外を見ると近所から黒煙が上がっていた。急いで支度し現場へ向かう。

 走って10分ぐらいの一軒家だった。全部の窓から煙が立ち込めていた。必死にカメラで写真や動画で現状を写す。家族3名全員取り残されているらしい。消防の必死な放水も虚しく火が隣家まで燃え広がってしまった。私は野次馬に混ざりながら撮影を続ける。

 約3時間後ようやく消し止められた様子で全焼。直後にブルーシートが用意され現場の道路付近は見れなくなった。おそらく住民は亡くなったのであろう。

 家に帰り、ある報道機関へこの火災に関する写真や動画を送る。そしてニュースに使われ、内心嬉しい感情になりかけたが事情がショッキングだった。身元不明の遺体4名と家に住んでいた家族3名が行方不明らしい。あと一人は何者なのか。

 この仕事はどんな事があっても感情移入できない。改めてそう感じた。

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