悪臭
等間隔にブルーシートや段ボールで作られた仮小屋はあるものの、僕たちは四人で行動している限りはまだ安全です。一人は流石に怖いけど、子供の時からこの公園は慣れ親しんだ場であり、広場では様々なスポーツをしてきました。今ほど厳しく無かった時代なので花火を持ち寄って遊びましたし、春には満開の桜や梅が咲き乱れ、花見やピクニックには持って来いなのです。
夜になると・・・心霊系の怖い話や人怖は勿論ですが、当時は「暴走族」なんかも怖かったです。
侵入禁止なはずですが、どこからか勝手に入りバイクで爆走してる連中も週末はチラホラ。警察との追いかけっこが始まって、静かになればやっと比較的、真面目寄りである僕らの主戦場です。
ただ・・・その思考は僕らだけでなく、『別の存在』達にとっても同じだったのです・・・・・・
例のトイレの前で、僕たちは固唾を飲みながら誰が行くかを様子見ていました。
C「・・・じゃ、ジャンケン、だな」
その他「「「おう」」」
A「二組に別れない?二人はトイレへ。後の二人は先に奥のベンチに行って、誰も居ないか確認しとこうや」
B「あ、いいんやない?それ」
そうして僕たちは「グーとぉパァ」地域的には「グーパージャンケン」とも言われるやつをして、二組二名づつに別れて行動することにしました。
僕はCとペアで、先にトイレへと言って例の『カマドウマン』を三回唱える方へ。AとBはベンチへと消えて行きます。
僕「・・・臭え」
公衆トイレとは駅でも海でもどこも大半は、とにかく臭いものです。
特に当時は真夏だったのも有り、嗚咽してしまいそうになる程の悪臭にて、早口で「カマドウマン、カマドウマン、カマドウマン」とさっさと用を済ませて足早に出てきました。
ただ、この時少しだけ気になったのが、小便器が四つほど左側に並んでいて、右側に「三つ」大便器用の個室が並び、その奥である三つ目が閉まっていたのです・・・・・・
その違和感に気付きながらも、とにかく異臭が耐えられず僕の中でもそのことは二の次となり、ABが向かったベンチへと二人で歩いて向かいました。
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