第7話ピストル大名

あれは確か26年前、ピストル大名の現金機を打っている時だった。

安い銭で食いつき、確変確定の七図柄で3箱山盛りで積んでいるときに自宅に電話した。 

「飲み代が作れたから、飲もうよ!」

と、父に。

だが、父からは野球を観たいからまた今度と言われた。

それから、20年経った頃、ルパンでドル箱を量産して5万円頂戴した時に、また父に電話した。

飲もうよ!と。

すると、家族全員現れて回転寿屋で飲んだ。

ピストル大名を打ってた時より、皆んな歳食ったが、美味しく酒を飲んだ。

母は運転手なので、スナックに父は行くのが好きで、母は寝ていて僕ら兄弟と父はスナック金山で飲んだ。


それから5年後、父はお空へ逝ってしまった。

こうして、パチンコエッセイ書いてると、思い出の機種で色んな記憶が蘇る。

父がまだ生きていたら、74だな。

馬鹿な死に方をした。

あのスナックでの父の笑顔は忘れられない。小さい頃は、いつもの様に酒ぐせが悪くて家族に暴力を振るっていたのだが、やはり家族。

大人になれば、その恨みも薄れる。

父はギャンブルなぞしたことの無い、真面目人間?だった。

興味は、野菜作りや山の手入れ。

山菜採り。

パチンコには面白味を感じないそうだ。

一度名古屋に実家の連中が来た時、弟と2人してパチンコで、8万円位勝ったときは、父、母をマグロ専門店に連れて行った。

弟はサンシャインにスロットを打ちに行った。

勝ったらしいが。

パチンコは人を幸せに出来るし、不幸にもさせる。

パチンコは文化なのだ。

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