不当な中傷を受けた時の対処

 暴力的な言動を取る人にあまりに不当な言いがかりをつけられた時、どんなに怖くても中途半端に相手に妥協するような姿勢を見せてはいけないよ……というお話。


 しばらく前に私の創作仲間であるA氏の代表作に、とある人物(仮にB氏としておきます)が「盗作だ!」と騒ぎ立てたことがあります。

 B氏の主張はnoteで公開されておりました。


 私が拝見した時は既に色々と差しさわりがあったのか、既に名指しだった部分を書き換えて文言もソフトに直した後だったそうですが……

 それでも極めて下品で攻撃的な文章に唖然としてしまいました。


 更に呆れたのは、これだけ激しい口調で「盗作だ」と罵倒しているにもかかわらず、具体的な指摘はほとんどできていなかった点です。


 B氏は「キャラを丸パクリされた」「コンセプトが似ている」と主張していましたが、どのような点が類似しているのか、具体的には全く指摘できていません。

 せいぜいが「人造人間」などの昔からあまたの作品で慣れ親しまれてきた良くも悪くも「至る所でよく見かけるありふれた」設定のみです。作品のオリジナリティに関わる部分での類似性は一切指摘できていません。

 更に、キャラクターの類似性については一切触れられていませんでした。


 まぁ、それもそうでしょう。

 私はどちらの作品も軽く拝読したことがありますが……正直、類似点と言えば「ジャンルが少しだけ被る」程度です。

(「ジャンル被り」すらもかなり微妙なラインで、あれで「パクリ」という主張が成立するなら、プリキュアは間違いなくダーティーペアの「丸パクリ」ということになります)

 当然、きちんと指摘したくてもできないでしょうし、もし主張するならば嘘を大量に並べる羽目になります。

 そんな事をすれば、すぐに「B氏が相手を貶めるために虚言を吐いただけ」とバレてしまって、今の読者様や支持者が離れていってしまうでしょう。


 更にいくつかの版権作品との類似性も指摘してはいましたが……

 正直、指摘のほとんどがいわゆる「お約束展開」や「お約束台詞」ばかりでしたね。

 ぶっちゃけ、「この作品は『ドアマットヒロインざまぁ』テンプレが使われている!だからシンデレラのパクリだ!」と言ってるようなもんです(嘆息)


 ハッキリ申せば、ある程度小説を読みなれている人であれば、たとえ双方の作品を読んだことがなくても、B氏のnoteを読んだ時点で「あ、B氏が無茶振りの言いがかりつけてるだけだ」とわかりそうなもの。

 最大限善意に解釈するなら、「B氏は小説を含むエンタメのインプット量が極端に少なすぎるせいで勘違いした」ということになりますし、悪意に解釈するなら「不当だとわかった上で言いがかりをつけた」ようにも見えてしまいます。


 B氏の主張を鵜呑みにしていた人についても同様ですね(もっともB氏の主張そのものをちゃんと読んでなくて、「よく絡む人だから同調してるだけ」の人もいそうですが……)


 このような「明らかに筋の通らない言いがかり」を受けても、表立っては言及せずに投稿サイト各社の運営様に通報だけして、後は放置しておくべきでした。


 ところが、あまりに理不尽かつ下品で攻撃的な相手の態度にA氏が恐れをなしてしまって、作品を非公開にしてしまったんですね。


 いやまぁ、気持ちはわかります。

 ごく普通の善良な人にとっては、何をどう超解釈したらあんな主張を臆面もなくできてしまうのか、思考回路がさっぱりわかりませんもの。

 日本語や当たり前の論理が一切通じない人から攻撃的な対応を取られたら、怖くて「とりあえず問題とされているものを非公開にすれば事態が収拾できるかも」とその場しのぎの対応をしてしまうことは大いにあり得ます。

 早い話が「善良な一般市民が顔に傷があるでっかいナイフちらつかせた自称ヤクザにすごまれたら、自分が悪くなくても思わず言いなりになってしまう」ようなもの。


 しかし、これでB氏の言ったもん勝ち状態になってしまいました。しばらくの間、B氏は協力者と一緒にあることないことを言いふらしていたようですね。

(伝聞形なのは、私が呆れてXでB氏をブロ解したところ、逆上してブロックしてこられたのでブロック返ししたきり、彼のポスト等は見ていません)


 幸いなことに、この騒ぎにうんざりした人は他にもいらっしゃったようで……ある方が見かねて双方の作品を精読し、類似点がないかどうか検証して下さいました。


 そちらの方が随分と丁寧な分析をされた結果、「類似点がほとんどない」「指摘された版権作品とも依拠性が疑われるものは1箇所だけだった」といった結論が出たようです。

 近況ノートの記事では結論が主ですが、参考文献として丹念に双方の作品を比較したデータが記載されていて、非常に説得力があります。


 お陰で安心できたのか、A氏も当該作品をふたたび公開することができ、B氏の主張が理不尽な言いがかりであることがほとんどの人の目に明らかになりました。

 今後はB氏がいくら騒いだところで、まともに相手にする人もあまりいないでしょう。

 逆に、彼の主張を一方的に信じるような方とは、ちょっと距離を置きたいかな?……なんて。

 そう考える人は私一人ではないでしょうね。


 これでひとまずは解決したとみてよさそうです。


 いや、最初から作品を非公開にしたりしなければ、もう少し早く騒ぎがおさまった気もするんですが……

 よく「テロリストの要求には屈しちゃダメ絶対」という言葉を耳にしますが、「理不尽な言いがかりをつけて中傷する輩の言いなりになっちゃダメ絶対」ということですね。

 私も気をつけたいところです。

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