第2話 い、いちご

いつだったかな


いっしょに摘んだ真っ赤な


いちご


いつからか


いっしょには


いられなくなったけど


いつでも


いちごは甘酸っぱい想い出を連れてくる


 ※ ※ ※


 いちご狩り。

 この胸弾む響きのイベントを、数年前会社の友人たちと決行した。

 その時のいちご農家のおばちゃんの言葉が、今でも忘れられない。


「いちごの酸っぱさは初恋の味」


 なんてこった! 知らなかった! 初恋はレモンの味だと思ってたぜーい!

 なーんて盛り上がっていましたが、一緒にいちご狩りに行ったメンバーの一人は、その後転職してしまって、もう長いこと会っていません。

 なので、いちごを見る度に思い出すんです。

 メンバーの中で一番多くのいちごを食べていた、彼女のことを。

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