第6話現代ドラマ小説「草むらのなか」
カクヨム友達が出て来ます。
ある女の子が、道を歩いていました。道の脇は草がぼうぼうに生えていて、草の中から、何かが出て来そうな、出て来てもおかしくないような
そんな雰囲気の中、女の子は家路を急ぎます。
「嫌だな、蛇とか出て来たらどうしよう」
女の子は、足早に通り過ぎようとしました。
その時でした。がさがさ、がさがさと、近くの草むらが動いたのです。
「なになに、怖いっ」女の子は逃げようとしました。
しかし、草むらのなかから、何者かが現れました。
「私は怖くないよ~」
そう、それはネコ?さんだったのです!
「びっくりした」
「私は、ネコ?のおじちゃんだよ。よろしく」
「よろしくね、ネコ?のおじちゃん」
ネコ?さんは、草むらで何か、探し物をしていたそうです。
それは、娘ちゃんへプレゼントする大切な、すみっコぐらしのとんかつのぬいぐるみを落としてしまい、探していたのでした。
ふと、ネコ?さんは女の子が抱いているぬいぐるみに目が留まりました。
「それ、君のぬいぐるみ?」
ネコ?さんが言うと、女の子は首を横に振り言います。
「これね、さっき見つけたの。可愛いでしょ」
――首に赤いリボンが巻かれている。やはり、私のぬいぐるみだな……しかし—―
嬉しそうにぬいぐるみを見せる女の子を見て、ネコ?さんはそれを返して欲しいとは、言えなくなりました。
女の子は、娘ちゃんと同じくらいで、その姿と重なって見えたからです。
ネコ?さんはもし、自分の物でなければ、やんわりと交番に落とし物で届けるようにと伝えようと思いましたが……
「可愛いぬいぐるみだね。それ、実はおじさんのぬいぐるみなんだよ。でも、君にあげるよ。大切にしてね」
「いいの?」
「ああ!」
「ありがと。ネコ?のおじちゃん」
ネコ?さんが微笑むと、女の子はネコ?さんに礼を言って手を振りながら、帰って行きました。
「しばらく、私はおやつ抜きだなあ……まあ、良いか!」
彼は、財布の中身を確かめながら、ふっと頬を緩ませるともう一度、ぬいぐるみを買いにデパートの方へと歩き出しました。
現代ドラマ小説「草むらのなか」-終わり-
☆ご出演ありがとうございました。
🏡ネコ?さま
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