電柱

「ねー、ママー」



 昼下がり、少女が母親の袖を引く。



「ん、なーに?」

「あれ、なーに?」

「電柱よ。電線を支えてる柱」

「あれは?」

「え?」



 指差す先には電線にぶら下がりながら見下ろしてくる青白い顔の男性がいた。

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