第36話 猫耳タビーさんと友だちになりました

 ——ふひーっ。


 無事、帰還しました。やっぱり我が家が一番っ、なんつって。


 素敵な猫耳獣人アバターのタビーさんのおかげで、準備なく強制移動したコミュニティから自宅に戻ることが出来た。

 し・か・も!


 ピロンッ♬


【フレンドにタビーさんが追加されます】

【経験値がアップします】

【フレンド登録したメンバーとは『訪問』機能を使って自由に交流できます】


 そうなのです。自宅に戻る前、タビーさんの誘いで、わたしたちフレンド登録したのです。教えてもらうまでそんな機能があるなんて知らんかったんだけどさ。


 ともかく、タビーさん、レベル42でいろいろご存じだし、親切だし、かわいいし。今後も仲良くしてもらって、いろいろ教えてもらおっと。


 ピロンッ♬


【タビーさんからメッセージが届いています】


 なんとっ、さっそくですか!

 どれどれ……まあっ。


『チョコちゃん、無事、家に帰れたよね? 

 それで、いきなりなのですが、もしよかったら、今度、わたしの家に遊びに来ませんか? もちろんケット・シー(化け猫)が大丈夫なら、なんだけど。我が家、猫だらけなのです💦』


 行きます、もちろん、行きます。

 猫、大丈夫です。むしろ好きです。

 

 ——って、返信したいんだけど、どうやって……あっ、わかった。このボタンか。んで、えーっと……。


『タビーさんへ。 はい、ちゃんと家に帰れましたー! 

 お家、伺いたいです。ケット・シーにまだ出会ったことないのですけど、興味津々です。ぜひぜひお願いします』


 送信っと。

 いやー、なんだかドキドキしちゃうなあ。

 しかしお呼ばれしたのはいいけど、どうやって家に行くんだろ。

 訪問機能って奴を使うのかな。

 ま、詳しいことはタビーさんが教えてくれるか。


 🍃


 あれから何度かメッセージのやり取りをして。

 いよいよタビーさん宅ご訪問の日となりましたー。


 まずはコミュニティで会ってから、一緒にタビーさんちに移動することに。。


 ってなわけで。


「服、なに着ていこう」


 初っ端に白Tゆるゆるパンツ(+汚れたエプロン)っていう、わたしの戦闘服を見せたあとだから、今さらしゃちほこ張る必要もないんだけど。

 少しはお呼ばれに相応しいオシャレをしたいものです。


「うーん、無難にワンピースにしとくかな。いやでも猫と遊ぶことを考えるとスカートじゃないほうが」


 ブツブツ言いながら、クローゼットの鏡の前で、チェンジチェンジチェンジしていく。すると呆れたのか、ほげー、と鳴く幻獣のヒッポちゃん。興味なさそうにギロッと目を向けてきている。


 その傍らには世話係のぴーがいて、ヒッポちゃんの毛並みを櫛で整えていた。


「ねえ、ぴー。こっちとこっち。どっちが良いと思う?」


 シュンシュンっとワンピースからチュニックと楽なワイドパンツの組み合わせに変更して見せる。一度じゃわからないかもと、シュンシュンと変更を繰り返す。すると、ぴーは「ぴっ」とチュニックの時でストップするよう言った。


「こっち? じゃあ、色は。明るめ、暗め?」

「ぴー……、ぴっ」

「紺色かあ。地味じゃない?」

「ぴぴっ」

「えー…、ちょっと地味な組み合わせだよ」


 紺のチュニックに黒のワイドパンツ。上品だけどさあ、おとなしめすぎない?

 タビーさん、三毛猫ルックの獣人だよ? ふわふわしたミニスカートの可愛い系の人よ? オシャレマダムの集いじゃないんだよ?


「ねー、くーも来てよ。この色で良いと思う?」


 すると、キッチンから、くー、それから、しーもヒョコヒョコ歩いて来た。

 で、くーは紺色でもいいけど花柄にしたら?(みたいなことを身振り手振りで示した)で、しーは「もっと派手にすべきっ」って感じで鼻息フンフンさせて張り切り、全身ショッキングピンクになりかけたところで、時間切れ。


 結局、花柄ピンクのチュニックに、デニムパンツで確定。


「あっ、もう行かなくちゃ。髪型……は、いいや、いつものままで。じゃっ、行ってくる」


 まずはショッピングモールにそっくりの場所、コミュニティに移動。

 前回とは違い、今日は準備万端です!



 

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