第二部
第二部・14話〈三人揃ッテ〉
※お祓い済みです。
今までのサケカイ
時は2023年春。
表舞台で活動する故に反動で一人カラオケ、ソロキャンプ、ソロ牛丼を味わいつつもサブスクでライバル心霊番組がクオリティの高い作品を公開する度に「お前らは霊を殴れないだろ?」と愚痴をこぼす
「なんか彼女いそう」
という憶測で振られ、出会いが無い現実を突きつけられた
◎お前はいいよなあ
彼はやや趣味が遅れている気がする。
試合の時は率先して相手のジムへ出向き、誰がそこで
「
高校2年生になったばかり。
ってそれはいいんだ。
まあ話題になるのも無理はないか。
相手はあの
まあ、推してる
つまり俺はギークでは無い。
けれど、対戦したから分かるが昔の
高校入ってから何かあったのか?
友達でも無いけれど試合以外で聞きたいことが山程あった。
「今時SNSなんて知名度の
「同年代で別の学校、更に属性も他ではあり得ない
「無理だと思うよ」
即答だった。
まだ話してもいないのに。
「いやあ、なんかテレビとかで観るよりも俺達と変わらない所あるなって感じない? 」
「そう言われたら気になるかも。なんか不思議な気配もするし」
「不思議な気配?まあ、住む世界が違うからな」
「いや、あれは昨今珍しい日本の幽霊と関わりがある匂いだよ。しかも
へえ、
「要するに
いつもジムの人達と連むのにやけに
あれ?なんか怖いな。
まるでこちらの動きがバレてるようだ。
「俺になんのようだ! 」
試合とは一転。
俺は肩を強い力で掴まれている。
「い、いや、ちょっと話してみたかっただけだ。からかいとかそんな事、高校生がやるわけないだろ? 」
物分かりがいいのか何か察しているのか警戒は解かなかったが。
「
あれ?
「お前!見かけない選手だな。
いや話してるんですけど?
「そう言えば、『避けられぬ懐疑』だっけ?ホラードキュメンタリースタッフとした働いてる君と似た高校生がいたけど他人の空似かと思ってた。まさか、あの
「え?ホラードキュメンタリー?よく夏の心霊番組で心霊写真とか映像を芸人とかが
そして霊について話してくれた。
「知名度が少なくて高校生でも副業として食っていけるからって頼みで一年間ホラードキュメンタリーに
って説明台詞と脅しを自分に勝った相手に言ってるのはギャグか何か? やっぱ住む世界が違うな。
「
なんか新しいVシネマが生まれそうなシチュエーションなのがその道のプロって感じがする。
「同い年には興味が無いんだがなあ」
流石に負かした相手には打ち解けてくれないか。
俺も改めて何考えていたのか。
頭冷やすか。
すると
「俺、避けられぬ懐疑のファンです!夢も希望も将来もないファイターですが、霊だけはいるかも?というか
怒涛。
まさに怒涛だった。
そう言えば
内向的な奴じゃないんだけど、俺に気を遣ってて趣味隠してたのか。
そりゃあ目の前に好きな番組のスタッフが仕事してりゃ俺を放置するよな。
普通なら圧倒されるシチュエーションだが流石属性てんこ盛りの
「成る程ね。お前達二人は見込みがありそうだ。って、俺の
なんか、世界って広いんだか狭いんだか分からないな。
「取り敢えずさ、今俺達持ち合わせが無いんだ。
お前はいいよなあ。
と呟く声。
霊じゃなくて
「勝者の余裕って奴か。俺は俺で抱えてるものがあって練習してるんだけど、お前には無いのか? 」
ふん。無いわけないだろう?
「俺も
俺は色々と溜め込んでいる
「俺にレパートリーを教えて下さい! 」
自分でも意味が分からなかった。
けど俺が対等に話せる場所はもうそこしかない!
◎両サイド
俺達は三人でカラオケをしている。
一方
怖いなぁ。
方や俺に負けてるのに何事もなかったように優位に立たれている。
こういう所は俺達と変わらないのかもしれない。
「で、お前が指名しているレンタル彼女ってどんなタイプ? 」
本題はそっちだったな。
「成人はしてる。といっても俺達より二つ上だ。俺が知ってる曲から知らない曲まで全部歌ってくれて触れないようにお互いしているのにリードされていたんだ。まるで
もしかしてまだ霊もいるのだろうか? 俺にはそんな感はないのだが。
肝心の
すると
「成人女性の好みは世代によって全く異なる。
俺の家族についてはテレビで知ってるかは前提にはしない。◯◯年代はギリギリインターネットを知っている層が少なくて後から適応した。
俺達より二つ上から◯◯年代はアーケービーと上流時代直撃世代。インターネットでは男性向けの軟派なネタが
具体的なのか抽象的なのか分からねえ!
対戦したから分かるけれどこれで
覇気が無くてこの力。
「へえ、参考になりそう。けど、それって避けられぬ懐疑でまたネタに出すの?廃墟でトレーニングしてた恐らく俺達と同い年のスタッフと。けど、一緒にいる時ってほぼ無いんだっけ?今回も伏線?だとすると
え?何?両サイドからこんな捲し立てられてるの?
いや、
俺が
「
すると
友達は多いらしいと聞いていたが、何か事情があるのだろう。
けど、それは幸せそうだとか俺に負けたからとか、利己的なものではなかった。
「俺の
ツッコミたいけどやめておこう。
勝者特権ってだけで無くて敗者の掘り下げも大事だなって。
けど試合になったらまた俺が勝つけどな。
良識のある友であり、ファンであって助かった。
そうして
俺、特に何もしてないどころか
俺は歩いている時に
「その
階級が違うから
お近づきにはなれたかな。
レンタル彼女攻略法は思い出にしよう。
ゥウウウウウウウゥゥゥ・・・
津向が戦闘モードになった。
人に対する殺気じゃない。
今憑いてる霊でもなさそうだ。
「現実ってのは残酷だな。仕方がない! 」
俺達はこの瞬間だけ一体となった。
俺は霊体なんて見えないし感じないけど津向がアイコンタクトで位置等を教えてくれた。
「狙った獲物は・・・」
「「「逃さない!」」」
俺達は襲いかかる霊を振り払った。
◎後日
俺と
あの時の事を
それか案外
俺はそんな
これはせめてものお礼という事で。
すると原付に乗った一人の人間が現れた。
見た目は同い年?かもしれない。
颯爽と降りたその人は津向の名前を俺にたずねてきたので教えたら
「浦泉奈が世話になった」
と言って津向から映像を受け取る。
「あ、あなたはまさか!」
そうか。
彼の出で立ちを見て悟る。
「
当たり前のように去っていった。 彼が噂の同僚か。
まあいい。
ブラックボックスはまだ俺達の世代でも味わえる様だ。
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