補強は常に準備

 今は野手がそこそこ出てきたし、リリーフは勝ちパターンが充実しているから、後は先発陣の補強が急務だな! と思うのは簡単なことですが、実際にはそう簡単にいかないことがあります。


 昨季先発で頑張っていた投手が今季へばってしまったりするように、逆に今季がんばっているリリーフが来季にはダメになっている可能性もあります。良い方で言えば今季くすぶっていた選手が来季花開くことも。


 なるべく戦力維持を考えつつも、常に次の選手の準備を怠らないことが、チームの勝利に必要なことだと思います。


 落合監督時代は、スタメンの野手陣が高齢化していったように、実力主義で多くのレギュラーメンバーが固定されていたのは事実ですが、その中でも福留選手が平田選手に代わったり、藤井選手や大島選手がセンターを務めるようになったり、ウッズがブランコになったり、井端選手がケガをしたら堂上選手が穴を埋めたり。ベテランの和田選手の補強なんかもありましたけど、細かいところでは変動がありました。


 投手陣に関しても、山本昌さんや岩瀬さんのような長く活躍するベテランはいましたが、川上投手がエースだった時代から吉見投手やチェン投手がエースになったり、リリーフエースは岡本投手から浅尾投手になったり。8年の間にも変わるところは変わっていたものです。



 しかしその後の時代は戦力の流出が目立つわりに大型補強がなかなか成功しなかったり、投手と野手のバランスが整わなかったり、なかなか上手くいきませんでした。


 そんな中、近年は作り直しのような状態にはなっているものの、どこか中途半端な印象も受けます。


 何か噛み合えば上手くいく可能性もありそうですが、そうなる気配もまだしないという。


 それは自分が昔のことを知っているからかもしれません。落合監督時代は、2007年に2位から日本一になったものの、2008年には野手の守備バランスが課題になりました。それを直したのが2009年で、この年も優勝はできませんでしたが後の期待をさせ、2010年にさらに改革をしつつ連覇に繋げました。


 あの頃は選手の良さをそのままチームの勝利に結ぶことができました。でも今は、良い選手が凄い活躍をしているよな? と思っても、チームとしては勝てません。


 その方がある意味当たり前というか、黄金期の方が異常だったんだろうとも思いますが。


 今はとりあえず素晴らしい活躍をしている選手を讃え、今後にも期待しつつ、その代わりになり得る選手は用意しておかないといけません。その上で足りないところも埋める。


 難しい話ですが、一番大事なのは、今いる選手をよく見つめることだと思います。こいつを使いたいから使うとかではなくて、上手く活かせてるかどうか。


 それが出来た上での準備で、それが出来ないなら誰がいても無駄かなと思います。

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