第13話

 未知瑠の店でボーイとして働いた僕はとんでもない経験をした。言葉巧みに人を欺き曼珠沙華麗のもとへ行かせたのは紛れもなく未知瑠なのだ。そのくせ中学時代の憧憬対象との甘い幻想にとらわれて彼女の自宅へ伴われてしまった。

 あのとき誠皇晋が強引に僕を連れていけば吹雪の夜道を駆けるなんて不運な状況に見舞われないで済んだのに――

 足を滑らせ雪の凍りついた道路から転落した……

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