第5話 魔法戦
そうして次の日、ユナとアウラが再び向かい合うと試合の合図がなる。
「アウラはユナに何かを言っている」
口元から会話を読み取ると、「だったら先に打ってきていいよ」っと言っていた。
恐らくだが、ユナと話して先に打ってきていいといったように見えた。
ユナは魔法を詠唱する。
その魔法は雷魔法、
ユナは加えて僕との訓練で編み出した雷の弓矢を作り出す。
2つの魔力が重なると、雷が更に激しさを増す。
アウラはそれを見て身体中に魔力を流し、身体から魔力の波が現れる。
身体魔力防壁、魔力に対する耐性を上げる方法だ。
ユナの魔法を真正面から受ける気だ。
アウラに向かってユナは照準を合わせる。
アウラは避ける気もなく真正面から受ける気満々にユナの方をまっすぐ見ている。
ユナはそれに臆することなく、弓矢を彼女に向かって弾く。
ユナの矢は一気に彼女に向かう。
アウラはその攻撃を拳を上げ、ユナの矢を真正面から受け止める。
本来なら魔法を受けることはない。
今のユナなら、普通に戦えば勝てる可能性の方が圧倒的に高いはずだ。
アウラの拳と矢はバチバチと火花を散らしながら、拮抗している。
「うらぁ!!」
アウラはこちらに聞こえるくらいの声を上げ、一気にユナの矢を叩き落すと雷の矢は跡形もなく消え去る。
あの攻撃を弾き返すとは、やるな。
とはいえ、完全に凌ぐことは出来ずに少し痺れが残っているようだ。
ユナは真っ直ぐ見つめ、アウラは少し息を荒げている。
ユナとアウラの消費魔力量は端から見てもアウラの方が消費が大きいだろう。
明らかに舐めた結果の代償に相応しい光景だった。
しかし、ユナの方も少し汗をかいていた。
ユナはまだ魔力制御においてまだまだ付け焼刃だ。
これだけを集中的にやらせたが、流石にまだまだ付け焼刃なので疲れるのだろう。
魔力を扱うに置いて精神力がついて来てないのだ。
そうして互いに息を整えると、再び魔法を詠唱する。
ユナは雷の矢、アウラは炎の剣を作りだす。
ユナは
どちらも中級系の魔法だ。
それぞれ魔法を放つと、矢と斬撃が火花を散らしながらぶつかり合っている。
拮抗しているように見えるが、徐々にユナの矢が押されて行き彼女は火の刃に包まれる。
そうしてユナは成すすべなく倒れ込み、試合が終了した。
よく頑張った方だ。
中級魔法だって本番で使えたし、教えた事はきちんとできていた。
今回に関しては言う事などない。
むしろあの短期間で剣技や魔法を習得できたのが純粋に凄いなと思った。
今回はアウラという規格外が相手だったから仕方ない。
流石はミウナの弟子というべきか、魔法においてはC階位の面子の中では一際群を抜いていた。
彼女の技量を見るに恐らくB階位以上の実力は間違いないだろう。
彼女は目を覚ましゆっくり起き上がると、ユナとアウラは握手を交わす。
決着はついた、だが今回の戦闘でC昇格は間違いないだろう。
あれだけの戦い、Dにおいておくはずがないからだ。
予定通りと言えば予定通りだったので問題はない。
これでミリネとクロナの組に入り、任務を受けることができる。
ユナはアウラに抱えられ、会場を後にした。
「レイル、行ってくるね」
「あぁ、ユナを頼んだよ」
二人は彼女のいるであろう医務室へ向かう。
関係者以外は医務室や選手室には入出禁止だが、師匠の僕等ははいることができる。
ユナのいる医務室の前で彼女が目を覚ますまで待つ事にし、クロナとミリネに任せることにしたのだ。
女性同士の方が何かと話しやすいだろう。
そうして試合を見続けていると、全ての試合をアウラが圧勝しアウラが優勝を掴みとっていた。
ユナに使っていた魔法で尽くの魔法を殴り飛ばしていた。
相手の得意分野をその拳で叩き折る。
剣技の時から思っていた事だが、彼女の攻撃は師匠のミウナと違い真正面から受けて立つ人間の様だ。
真正面から叩き潰す。
小細工なしの真正面での勝負、それが彼女の戦い方だ。
「兄、ユナが会いたいって」
クロナが僕を呼びに来たので、ユナのいる場所へ向かう。
落ち込んでいるだろうな。
彼女の元へ向かうと泣いた後だろうか?
少し目元が紅く腫れあがっていた。
「お疲れさまユナ」
惜しかったとか、次があるとは言わない。
だってそれは慰めているようで何も意味がない言葉だから。
惜しかったとか次があるとは次が場合で、僕らのような人間は負ければ死が待っているのだからこれは言っても意味がないのだ。
「ごめんね、レイル」
「謝る事じゃない、相手が強すぎた。 ただそれだけだよ」
僕がそう言うと、彼女は悔しそうに唇を噛んでいた。
「次は絶対に勝つよ。 絶対に負けない」
ユナの瞳には強い決意と意志が込められていた。
次はないと言いたいところだが、彼女の成長にこれは必要だ。
勝ちたい、そして諦めない心こそ大事なのだから。
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