架空の星新一傑作集を勝手につくろう！

総評「ノックの音が」★★★★★★☆☆☆☆

〇評価平均（10点満点）

　アイデア：2.80（５点満点）

　文章　　：3.07（５点満点）

　合計　　：5.87

〇個別評価

№　タイトル　評価(アイデア・文章)

270　なぞの女　8(4・4)

271　現代の人生　6(3・3)

272　暑い日の客　5(2・3)

273　夢の大金　5(2・3)

274　金色のピン　7(4・3)

275　和解の神　6(3・3)

276　計略と成果　6(3・3)

277　職務　6(3・3)

278　しなやかな手　6(3・3)

279　感動的な光景　5(2・3)

280　財産への道　5(2・3)

281　華やかな部屋　6(3・3)

282　唯一の証人　5(2・3)

283　盗難品　5(2・3)

284　人形　7(4・3)

〇寸評

　個人的に印象のわるい作品集だったが、読み直してみるとなかなかの出来という評価。

　すべて「ノックの音がした」ではじまる作品集なのだが、個人的にはそれがうまくいっているようには思えない。

　いや、たしかに、シチュエーションを限定した作品に挑む姿勢は評価すべきだが、冒頭が「ノックの音がした」ではじまる必然性を感じる作品はすくない。むりやり感がないわけではない。

　文章は非常に読みやすい。とても半世紀以上前の作品集とは思えない。ただ、星らしさはあまり感じない。星独特の突き放した文体ではない。かなり、広く一般の読者を意識した文章になっている。その点が、星新一フリークとしては不満である。

　はじめて星新一を読む人に薦めてもわるくはない出来だが、星らしさが薄いのが難点である。