「治療」★★★★★★★☆☆☆

〇収録「宇宙のあいさつ」


〇評価(10点満点)

 アイデア:4(5点満点)

 文章  :3(5点満点)

 合計  :7


〇あらすじ

 社会に蔓延した「劣等感」を緩和するため、その装置はつくられた……


〇寸評

 星新一の作品を評価するとき、私はそれが現在でも通用するか否かを最重視する。しかしながら、それは、たとえば、「星は未来は予測していた!」とか騒ぎたいわけではない。あくまで、物語に普遍性があるかどうを注視している。星には、未来を予測した作品が少なからずあるが、私はその点には関心が薄い。高く評価することはない。私は星新一をSF作家だとは認識していないし、あまりSFに興味がない。

 本作の冒頭では、現代社会の病巣である「劣等感」について、克明に描かれている。現代の人に向けられた文章にも思えるが、そうではなく、60年前から変わらず、人々が「劣等感」という病気に冒され続けていることを示唆している。もしくはそれ以前から。

 文章は長いが、読めないことはない。ただ、星らしさは薄く、最後の一行に不満が残る。


 なお、本作の前に置かれている「解決」という作品は、60年前の作品だが、物価と税金の高さをなげく描写がある。常に、物と税金は高い。

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