架空の星新一傑作集を勝手につくろう！

「マネー・エイジ」★★★★★★★★★☆

〇収録「ボッコちゃん」

〇評価（10点満点）

　アイデア：４（５点満点）

　文章　　：５（５点満点）

　合計　　：９

〇あらすじ

　お金が社会の動きを支配する未来。そんな時代の女の子の一日とは？

〇寸評

　９は高いという声が聞こえそうだが、個人的に星新一の中でいちばん気になる作品である。

　星は太宰治の『女生徒』を高く評価していたが、その影響をすこし感じる。

　あらすじを書くのに非常に悩んだが、それはオリジナリティがある裏返しと言えよう。その社会設定は星らしい、星にしか思いつかないと同時に、星の作品の中でも異色な世界観である。

　女の子の一人称というのも星にはめずらしい。

　星らしくて星らしくない点がとても気にかかる一作である。ぜひ、読んでみてもらいたい。おそらく、なにがおもしろいのかわからないかもしれないが、私は好きである。

　なお、『マネー・エイジ』の前に置かれている作品が、有名な『親善キッス』。評価が６だったので、エピソードとして立てていないが、みなさん、中学校なので読んだかもしれない。７にしてもよかったのだが、とにかく辛めにつけないと差別化が図れないので、残念ながら、６に据え置いた。

　中高生だと、『親善キッス』や『友好使節』などが高い評価になるかもしれず、それらの作品も捨てがたい魅力があるのだが、私の独断と偏見で評価する以上、どう表現すればいいのか難しいが、「万人受けするユーモア作品」は総じて点が辛くなりそうだ。ということを前もって伝えておく。