〇収録「ボッコちゃん」

〇評価（10点満点）

　アイデア：４（５点満点）

　文章　　：５（５点満点）

　合計　　：９

〇あらすじ

　男はだれにも言えない、秘密のペットを飼っていた……

〇寸評

　これも星新一を代表する一作。ベスト・ワンに挙げる方もいるだろう。

　アイデアは４点にしたが、かぎりなく５に近い４である。1001作から31作を選ぶ以上、辛めにつけないと差別化ができない。

　星新一の人生観が垣間見れる一編と言えるかもしれない。なんであろうか。美意識が倫理観を越えたときに見える、人間の業とその肯定といったようなものが、表現されていると言えないだろうか。

　文章については、アイデアを十全に表現している。散文詩と言ってよかろう。

　主人公に近づきつつも、どこか線を引いている、冷めた視点。

　本作は、映像化は可能であるが、この作品で伝えたいことは、映像ではうまく表すことができないだろう。星新一の文章だからこそ、活きてくるアイデアである。

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