第3話 ばあちゃんの見たもの

俺は酒とつまみの準備をしていた。居酒屋でバイトをしていて少し料理ができる。ばあちゃんが手持無沙汰にならないようにテレビを点けた。人気番組の「ドォーモ」が始まっていた。軽い情報番組で流し見にはうってつけだった。「そいがたいちいとまえにおとろしかめにおうたったい。えんばんのごたるとにはたけんさきでおっかけられたったい。。。そいがふとうしていつまっでんおうてくっとたい」ばあちゃんがぽつぽつ話し始めた。球磨弁だ。それ程難しくないが声だけだと良く分からないこともある。しばらくして「ケンちゃんないつもこぎゃんとばみよっとな。。。」ばあちゃんの語り口が変わった。酒とつまみが出来て丁度テーブルに持っていくところだった。 ばあちゃんはこっちを困ったように見ている。テレビにはいつもと違う良く分からないものが映っていた。

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