第4話:事故だらけの初配信

ふぁぁ…ねっむ…

俺は目を覚まして起きたてで眠く重い目を擦りながらボヤーっと時計を見ると時計の針は9時を過ぎていた。


「ふぁぁ〜9時かぁ〜、、ファ⁉︎ 9時⁉︎ 目覚まししてたはずじゃ?」

枕元に置いていたスマホを確認したが、

案の定スマホは充電切れだった


「え、なんで?…昨日70%は残ってたはず!」

どのみち遅刻は確定したので開き直ってスマホを充電してから学校に向かうことにした。


しばらくして充電が少しできてスマホの電源がついた、ホーム画面が見えた瞬間に何故充電がなくなったのかがすぐに分かった。


「なっ、、なっなんだこの通知の量‼︎!」


スマホのホーム画面にはTwitterの通知が999+と出ており、明らかにTwitterの通知を切り忘れていたせいで充電がなくなってしまったようだ。


「なんだこりゃぁぁぁぁ!!!」


朝っぱらから大きな声を出してしまったがきっと誰だろうと俺と同じく叫ぶはずだなぜなら

Twitterのトレンドが、月詠 イザナ、ポン子先生、Vtuberと俺の話題で埋め尽くされていたのだから…


嘘だろ…ポン子先生が手掛けたからって初配信すらしてないのに。

まぁ、自己紹介動画は投稿したけど普通昨日の今日でこうはならなくない?


やはりポン子先生がVtuberのガワを作るのは久しぶりだったからか、確か前に作ったのが俺の推しの猫耳 ミタマさんで3年前だからそりゃ話題になるか、

(俺の前に作ったモデルが今では人気Vtuberだもんな…)


ん?ちょとまて、、ってことは俺かなり期待されてるんじゃ…

恐ろしいことが頭によぎったが深くは考えない様にした。


でも今話題になってるのは、ほぼぽん子先生のおかげだからなこれからは自力で頑張らないとな、


って、もうこんな時間流石にもう学校行かないとな。

すぐに用意を済ませて俺はスタイリッシュに颯爽と学校に向かった。


学校自体は歩いて20分のとこにあるので俺が全速力で走れば10分まで縮めれるが、

朝起きた時点で遅刻は確定してるので走らずゆっくりと歩いて向かった。


<20分後>

ふう〜やっと着いたか〜


もうそろそろ2限が終わるな、終わったとこを見計らっt…


『おいおい、何しれっと教室に入ろうとしてるんだ?』


教室にそろりと入ろうとした瞬間後ろから、圧と共に声をかけられた


「げ!?」

ドックン!?


聞き覚えのある声に話しかけられ一瞬心臓が止まりかけた

その声は⁉︎ …俺のクラスの担任の松田先生だ、

見た目はキリッ大人びており学校の中でも上位に入る美貌の持ち主だが性格が真面目で厳しいこともあり、

生徒からは鬼の松田とも言われるぐらいには恐れられてはいるが、

学校に根強いファンクラブがあるとかないとか…


俺は自分に向けられている圧の源の松田先生の方へ体を向けた、


やはり松田先生の顔は引き攣った笑顔をしており怒ってるのか笑っているのかわからなく、怒っている時の顔より恐ろしいまであった。


「はは、何か俺なんかにご用でも?…」

すると松田先生の怒りと笑顔の表情の比率が5:5から怒りの度合いが7:3になり海と真水のような割合になってしまった。


『ご用だって? 2限が終わった時が来たのにもかかわらず学校の電話にも出ないでこっそり登校とはいいご身分だな! ハハハ!』


電話されてたのか? でも家族はみんな早起きですぐに家からいなくなっちゃうから誰も電話取らないし、なぜか家の個室全部防音室になってるしそりゃ聞こえないか


「はっ、はは…」


『何笑ってる! とは言っても神宮寺が学校に遅刻したことない、何かあったのか?』


「まぁ大したことじゃないんですがスマホの充電が切れててそのまま寝坊しちゃいました、てへぺろ」


『はぁ…まぁ今回は初めてだから許すが次はないぞ』


それを言い残して松田先生は職員室の方の廊下に消えていった。


「ふーなんとかなった〜」

なんとかやり過ごして俺は自席に座った、だが普通の男子高校生の場合教室に入ると友達に『おいおい遅刻なんかしてどうしたんだ?』


『あの鬼の松田に呼び止められていたけど大丈夫か?』


などと声を掛けられると思うが俺にはその様な友達はいない…

(こっ高校にいないだけだからな!くっ…)

俺は勝手に1人で悶絶をした


気を切り替えて俺はいつも自分の席で優雅に休み時間を堪能しているその様子はヨーロッパの貴族みたく気品があると言われたこともあるわけもなく、

俺はただ教室の空気に…


『よぉ!優真が遅刻って珍しいな、風邪でも引いたのか?』

そう俺に話しかけたのは吉良 蓮きら れん奴は整った顔、眩しい笑顔、溢れんばかりの陽のオーラ、一見したらただのイケメン陽キャ彼女もいてモテモテだと思ってしまうかもしれないが、


「いや風邪はひいてないただのねb、」

『言わずとも分かっている! お前に封じ込まれた邪竜が暴走していたことぐらいお見通しさ!』


「いやちが、」

『うんうん分かっている優真も俺みたく己の力を制御する日はそう遠くない気に病むなよ!』


『邪神との決戦の時はそう遠くない』


相変わらずこいつ話を聞かないな、

一応言っておくが実は俺と蓮が力を持っていて巨大な敵と死闘を繰り広げているというわけではないなんせこいつは厨二病だ


そのせいで蓮に少なくとも高校で彼女はいたことがない、まぁ蓮もこんなんだが性格は悪くなくむしろとても良いだからかクラスだけではなく友達は多い、


俺に友達がいないと言ったが強いて言うなら蓮がでの唯一の友達だ、蓮とは何を話すかというとアニメやVtuberを語り合ういわゆるオタ友というやつだ。


「そういえば蓮昨日のミタマちゃんの配信まじ神じゃね?」


『ほぉ?やはり優真氏も見てましたかやはりミタマちゃんはあのメスガキ感が最高ですぞ!』


ちなみに蓮はこういった話を始めたら蓮はオタク化してしまうのだ


「やはり蓮もわかるかミタマちゃんは雑談の時はメスガキ感すごいけど歌ってる時は可愛さマックスって感じでうぅ…尊い…」


『わかりみが深いですぞ! あっそうだVtuberといえば初配信は今日みたいだけど話題の新人が出たらしい優真氏も知ってるでござるか?』


「あ、え、っそそうらしいな!ははは…」


『確か月詠 イザナって名前だったでござるしかもあのポン子大先生がパパ&ママだそうだ優真氏も期待度大だろう?』

(やっぱトレンドに載って話題になってるもんなバレない様にしないと)


「そんなに期待されてもな、」


『1人で何言ってるでござる?』


「まぁとりあえず過度な期待をしないほうが…」


『そうでござろうか?それがしはきっとVの上位に食い込むと思ったでござるが』


「そうか?」


そこから何事もなく学校が終わった、

今日の21時から初配信か〜緊張するな…

パンッ

強めに自分の頬を叩いた

こんな調子じゃだめだ俺は推したちに会うために初配信頑張らないと!


家に帰ってからすぐに初配信開始目前になった

「よし今から少し声を変えてっとあーあー」

軽く声を変えておいて俺は枠を立てて待機画面を眺めた待機人数7万だと!?


「7万!?」

「7って縁起がいいな!…じゃなくて初配信からこんなにくるなんて!でも次には減ったり、まぁ気を取り直して始めますか!あ…」


:あ、気づいたw

:初めまして

:初見です

:最初から事故ってて草

:声イケボやな推すしかねぇ!

:切り抜ききちゃ!

:感情のアップダウンやばw


「うわぁあああああああ!!!何やってんだオレェええええええ」


:耳がぁ!

:うるさw

:耳が潰れた〜

:鼓膜破壊の枠と聞きまして


「ごめん、耳大丈夫ですか?」


:イケボで治ったわ

:大丈夫やで

:こりゃ大物なるで


「ではop流しますね〜」


:op開始の合図いう初配信はじめて見たわ

:ワクワク

:クオリティー高!?


opが終わりやっと初配信が始まった


「皆さん初めまして本日からデビューしました神界から舞い降りし夜の神、月詠 イザナでしゅ!」

(あああああやってしまった!)

赤面した顔でチラッとコメント欄を見ると

:まだ〜

:モデルかっけ〜

:待てよ口ぱくぱくしてたぞ

:ミュートか?w

:また事故ってて草


あ…やべ、もう事故らないぞ!


「こほんっ、すいませんミュートしていたようで…」

:別にええで

:まじでミュートかよw

:事故多いなw

:可愛い、お姉さんが養いたい

:もうガチ恋勢おるw


「改めまして、皆さん初めまして本日からデビューしました神界から舞い降りし夜の神!月詠 イザナです!よし噛まずにいえt…」


「なんだよもぉおおおお〜またかヨォおおおお!」

:おぉ挨拶いいねぇ〜

:心の声w

:漏れとるw

:うるさw

:発狂芸w

:キャラ崩壊早w

ポン子:落ち着いて(ハラハラ)


「あ、ポン子さんこんにちわ!今から落ち着きます」

「深呼吸っと」

スーハースーハ〜ーーすーはっhゲホゲホ…


夢中 キララ:初配信頑張って!

:え?

:本物?

:キララちゃん!?

:やば!


「え?キララさん?はは俺は幻覚を見たようだハハハこれは夢だ!」


   :夢じゃないぞ〜

   :目覚ませw

   :戻ってこーい

夢中 キララ:私幻覚なの?

   :キララちゃん変な勘違いしてるw

   :おかしいのはイザナだから(震え)


「誰がおかしいじゃ!」

   :ひゃw

   :本当だしなw

フレーダー ヴラッド:事故配信と聞いて来た!

   :え?

   :立て続けにヤバ

   :ヴラさん!?

猫耳 ミタマ:暇だから来たけど勘違いしないでよね!

   :ミタマちゃん!?

   :これ初配信か?

   :個人勢の枠ですよね?

   :ツンデレで草


「あ、う、、あははは俺疲れてるんだ…ははキララさんにヴラッドさんにミタマさんが来るわけないだろハハハ」


ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!

なぜか壁に頭をぶつけ出した、

   :どうした?

   :壁に頭ぶつけてるんじゃ…

夢中 キララ:え?え?大丈夫!?

ポン子:大丈夫!?

フレーダー ヴラッド:おいおいここまでやばいのは想像以上だなw

猫耳 ミタマ:え?えっと…ちょっと落ち着いて!

   :みんな心配しとる笑

   :ミタマちゃんが慌ててるだと!?

   :やめてイザナのライフはもう0よ!

   :次回イザナ死すデュエルスタンバイ!


「死なねーよ!!!はぁはぁやっと正気に戻れた…」

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