サムライ・スラッガーの最敬意

クレイジーカード CRAZYCARD

三打数一安打の安打製造鬼


「KA~、打てねえ。何だいこのウェットなバットは?」

尖端が湿っているとでも言いたげなミクス。


「打撃の鬼神が無安打に喘いでおられる模様だのう」

一言、言いたげなBOYA.隣で同じゲームを起動する。


「上級者の俺も大したことはないけど……」

「ないけど? ナンダヨ?」

BOYAの意味深な余韻に苛立つミクス。


「Aランク選手中心のミクスには勝てるかなって」

「HAHA~HA、やっぱりお前はBOYAだな」

Sランク選手中心のBOYA.

実力は火を見るよりも明らかだ。


「あぁん? んだよ! 勝てんのか?」

「勝てネーヨ、勝てる訳がないだろ?」

あっさり負けを認めるミクス。

操作上の不具合を言い訳にするのだろうか?


「何事も、先輩GATTAをリスペクト、だ!」

「年功序列ってことが言いたいのか?」

ミクスは年功序列と言われても、ピンとこないだろう。

明らかにBOYAのミスリード。

この場合の先輩方は、熱海哲也筆頭?


アヴェーノ・ミクスのバットコントロールをもってしても

好球必打の叶わないゲーム。

そういう設定、そういう巡り合わせ。しかし、彼は動じない。

TEAM全体の総合力を高めれば、やがてはBOYAに肩を並べる。

「やがて」でいいYO、こんなもん。焦る必要が何処にあるんダ?

全てを見下しているようで、

全てに尊敬の念を払うサムライ・スラッガー。

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