158. 『灰かぶりの天使』&『えぶねの人魚』
平成初期の中高生(元)には刺さる刺さる。
◆『灰かぶりの天使』灰田高鴻
平成初期の高校が舞台の百合。地味で冴えない
コミュ障陰キャ丸出しの由紀が痛々しくも滑稽で、おもしれーやら危なっかしいやら目が離せません。初っ端から卒アルなんちゃら(自主規制)は飛ばしすぎて草生え散らかしました。思春期の愛欲、度し難し。
後述の同人誌では主人公の男子・
当の彩子も家庭環境に起因する複雑な想いを抱えていて。由紀との不器用な交流を通じて、もつれ合った感情が整えられていく経緯が、本作のもう一つの主軸ともなっています。
クライマックスはタイトル回収となる二人だけのファッションショー。吸い殻の灰が天使の羽根のように舞う場面に、青春の美しさの本質をを見た思いがします。
以下ネタバレ回避のためぼかし気味。
彩子から由紀への手紙は、普段の態度とはかけ離れた文面に本来の人柄と真心が表れていて、思わず由紀とともに涙してしまいます。
昭和の残滓が消えて、世の中が平成へと移りゆく中、映し出された劇的なラストシーンでは胸がいっぱいになりました。こういうのでいいんだよ……!
◆『えぶねの人魚』灰田高鴻
『灰かぶりの天使』の前日譚&後日譚が収録された同人誌です。発表はこちらが先。世界観は共通していますが、世界線まで同じかどうかは明言されず。
前日譚「えぶねの人魚」では、彩子の中学時代が萩原視点から描かれています。卒アルにマスキングって、由紀と同じことしてる……(笑)。
後日譚「事後」は年月が飛んで、萩原の大学時代の話。彩子との再会は一応ハピエンということでよろしいか。
「解題」を読むに、前出の二編と『灰かぶり~』は同時期に構想されたようです。金八より中学生日記の世界観とは言い得て妙。作者様と同年代の読者としては、変形学生服のお話も懐かしい限りです。
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