132. 『ケンガンオメガ』30巻/『つぐもも』35巻/『テンカイチ』12巻

 魂が闘争を欲しているのだ……!



◆『ケンガンオメガ』(30)サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん


 くれ一族の元で修行するこうりゅうは初日から大大大苦戦。王馬さんの嫁(仮)に加えて、その母・夜叉やくしゃ先生(『ダンベル』でおなじみ)の登場は、ヤバ子ファンへの特大サービスですね。


 修業二日目、特別ゲスト雷庵らいあんは存在自体が反則なんですが!? 案の定、不意討ち一発で即死(死んでない)ですし……しかもスポチャンの棒で! 「勝とう」「勝機」「勝てる」うんうん、なるほどね~(伏線)。



 「武の記憶」を手に入れた羅漢ローハン二虎にこ。立ち塞がった〝連なる者〟スカーフェイスとラッキーボーイの狙いは羅漢ただ一人。我関せずで距離を取る二虎は草。羅漢が王馬と龍鬼、かくの件にまで関わっていたとは驚き……でもないか。


 修業上がりの光我&龍鬼にツンデレお兄ちゃん=雷庵の有り難い餞別。結果はさもありなんでしたが、何気にロン家絶技の一端が垣間見えたり。個人的にはオールアップ後も明かされていない「景品」とやらの中身が気になります。



 そして、こちらも気になっていた若槻わかつきの山籠り。現滅堂めつどうの牙・王森おうもりとの手合わせは見どころ充分。解説がてらディスられるヒカル君……(泣)。必殺技を封印した若槻が掴み取った新解答は激アツ! そりゃ誰にも真似できませんわ。


 おまけ四コマ。若槻さんの食糧事情、好き嫌いなくてえらい。繋がる者さんは相変わらず人生満喫しすぎだろ(平常運転)。

 カバー下の光我くん、王馬さんのお義父さんルート浮上か?(妄想)




◆『つぐもも』(35)浜田よしかづ


 つづら殿襲撃編が続きます。本巻冒頭では、私が本作を読むきっかけになった、おとろし討伐の真実に驚き。同時にわごうへの怒りが沸々と。こやつを筆頭に敵側が卑劣すぎて、すそはらい側を応援せざるを得ません!


 後半は、推しのおりばなおう様が格好良すぎてアガりっぱなしでした。こんな素敵なリーダーについて行きたい。ただ、章の最初で結末が明示されてしまっているのですよね……実際どう描かれるのか、覚悟して見届けねば! です。


 新ルール(たまやしろ)の追加もあってか、近刊は演出が説明過多になりつつあるのが少々気がかりですが、最近の読者向けの補助線なのかもしれません。練られたバトルそのものは変わらず緊張感があって、目が離せない面白さです。




◆『テンカイチ 日本最強武芸者決定戦』(12)あずま京太郎/中丸洋介


 いんしゅんVSはやしざき、決着の巻。神に選ばれし若き天才に対し、愚直に研鑽を積み上げる凡人(ものごっつイケオジ)が立ち向かう。そんな構図のはずが、いつしか互いを高め合う好敵手へ。


 正直いけ好かないお子様(婉曲表現)だと思っていた胤舜が、兄弟子たちの激励で奮起する場面には、熱い涙があふれます。もはやどちらも主人公。勝負の行方、本当に最後の最後まで読めませんでした。


 決着の神演出と超画力に大興奮。アニメになったらどうなっちゃうんでしょうね……私の心臓と脳がつかどうか心配。とりあえず推しが勝ったので祝杯ぞ!

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