前のエピソード――1571年part2　織田家と外部勢力

1572年、織田信行は織田家を再び強固にするため、そして独立を宣言した筒井順慶に対する報復を実行するため、進軍の準備を進めていた。しかし、彼が順慶の領土への攻撃を開始しようとしたその瞬間、織田家を取り巻く外部の情勢が急変することになる。

信行が進軍を計画していたその時、足利義昭が仕掛けた織田包囲網が急速に形を取り始めた。これにより、武田信玄や上杉謙信、さらには毛利輝元といった強力な大名たちが同時に織田家を攻撃する準備を進めることとなった。信行は順慶を討つための進軍を止めざるを得ず、織田家を守るために他の外敵に備える必要に迫られた。

さらに、織田家の内部でも不穏な動きが表面化する。筒井順慶の独立に呼応するかのように、いくつかの家臣たちが信行に背を向け、外部勢力と内通することを決意したのである。特に、旧来からの家臣でなく新たに織田家に仕えた者たちの中からは、忠実通りの家臣が信行を裏切り、外部の大名たちと連携する動きが見られるようになった。

信行はこの裏切りの動きを察知し、急ぎ対応に追われた。彼は家中の結束を再度固めようと努力する一方で、外部からの攻撃に対して防御を固める策を講じなければならなかった。しかし、忠実通りの家臣たちが裏切り、彼らが手引きする形で外部の敵が織田領内に侵入することが現実のものとなり、織田家は未曽有の危機に直面することになった。

信行は、自らの手で筒井順慶を討とうとする計画が頓挫し、逆に包囲される側に立たされるという皮肉な状況に陥った。この状況は、信行にとって自らの統率力が試される場面であったが、同時に織田家の存続そのものが脅かされる重大な局面でもあった。

1572年の年末、信行は織田家の再編成を急ぎつつ、外部の脅威に立ち向かうための新たな戦略を模索することとなった。信行は、織田家を取り巻く状況が一層厳しさを増していく中で、家臣たちとの信頼関係を強化し、外敵との対決に向けた準備を進めていった。この年は、信行が織田家を守るためにどのように戦略を練り、実行していくかが大きな試練となる一年となる。