第2話

花凛はノートパソコンの画面に視線を移し、複雑なコードの一行一行を見つめた。彼女が取り組んでいるのは、新型の医療データ解析システムだった。大量の患者データを迅速かつ正確に処理し、最適な治療法を提案することを目的としていた。しかし、現在のシステムでは処理速度が遅く、実用化には程遠い。


「この部分のアルゴリズムがボトルネックになっている…」花凛はつぶやきながら、画面上のコードをスクロールしていた。そこで、彼女の視界に飛び込んできたのは、最新のAI技術に関する論文だった。彼女はその論文をクリックし、読み始めた。


「もし、この技術を応用すれば…」


花凛の瞳が輝いた。新しいアイデアが頭の中に浮かび上がり、彼女はすぐにメモを取り始めた。彼女の集中力はますます高まり、食事のことも忘れてしまうほどだった。


その時、スマホが鳴り、現実に引き戻された。画面を見ると、親友の菜々子からのメッセージだった。


「今度の週末、少し休みを取って何処かでのんびりしない?最近ずっと忙しそうだし」


花凛は微笑みながら返信した。「ありがとう、菜々子。でも、今はこのプロジェクトがどうしても気になって…」


メッセージを送り終えると、再びノートパソコンに向かう花凛だった。

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