納骨
猛暑のぶり返した炎天下の日曜日
緩やかな上り坂の山道を車で進んでいくと
お墓たちがきらきらと犇めいている霊園に辿り着いた
すぐに父の残骸とも言える遺骨の詰まった骨壺を
お墓の底に入れてお墓の蓋を閉じようとしたとき
「こんな狭くて淋しい場所に俺を置いていくのか?」
そう問いかけてくる父の声が骨壺の中から聞こえた気がした
花を手向け線香を焚き合掌して納骨は15分ほどで終わった
帰るとき夏の時空と秋の時空の狭間から現れたような
一匹のナミアゲハが私の前を揺れながら飛んでいった
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