ゼニガタアザラシのセルキー娘 ゼニガタ(クエスト編)
五月一日の朝。
魔法少女の家が増築されて広くなかった。
増築の理由は、熊娘のサイクマの娘が魔法少女の家に住みたいと言いだしたからだ。
今、サイクマがいるのは、ゼニガタいるリビングである。
「これで、僕とアルゴの家が出来たね! 」
サイクマは、魔法少女の家を自分の家だと思うかのような嬉しそうな表情を浮かべる。
すると、ゼニガタが反論した。
「いいえ、あたしとアルゴの家よ! 」
「え?! 今なんて?! 」
「だから、あたしとアルゴの家よ! 」
ガチャッ ギュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!
「え?! 」
サイクマの右手のチェーソーが魔法で回り出した。
彼女も、アルゴを自分のものにしたい様子。
そして、サイクマは、大きくチェーソーを振り下ろした。
「アルゴも家も僕のものだ! レベル4マギアチェーソー! うりぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」
しかし、ゼニガタは、チェーソーすら恐れなかった。
「よっと! レベル5ベクトルシュート! 」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
チェーソーをかわしたゼニガタは、サイクマをやりように木の床に埋めた。
「ふぅ……もう少しで肉塊だったわ…………」
一方、ベンチがある廊下。
ここで、ブレザーに着替えた異世界人がプーカのアツに自己紹介をしていた。
「あたしお名前は、
「きちじょーじぃ? 異世界の町かなぁ? あたし、行ってみたい! 」
「行ってみたい? 」
「うん! 大聖堂の書庫で見たことがあるんだ! 異世界へ行ったら人間と友達になりたいんだ! 」
「夢、叶うといいね! 」
「うん! 」
ガチャッ!
玄関ドアが開いた。
現れたは、魔法少女のアルゴ。
赤いツインテールには黒白二色の矢印の飾り。
ワンピースには、赤青二色の矢印模様。
ワンピースの上には紫のブレザー。
首には、緑のネクタイをしている。
そんな、彼女が路地花とアツの前にやって来た。
そして、一枚の紙を見せる。
「路地花。明日、クエストに行くわよ! 」
「クエスト? 」
路地花は、紙を上から見た。
内容は、『褐色島の
「え?! みんなフルネームだね! ゼニガタさんも行くんだ」
「そうよ。ゼニガタは、あたしとデートをしたいらしいの。けれど、あたしはクエスト不足でね。だから、仕事をしながらデートをしようと思うの」
「さすが、魔法少女さん! 頭いいね! 」
「ありがとう! 」
「けれど、どうして、あたしも一緒なの? 」
「このクエストは、三人いないと行けないクエストだったから、勝手に記入した」
「だったら、二人で挑めるクエストにしてよ! 」
「もう記入したから、断れないよ! 」
「あ、ああ、わかった…………」
勢い立ち上がった路地花。
しかし、断れないとわかった彼女はゆっくりと木のベンチに座る。
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