第20話

明るい昼下がりの教室、ざわざわとした空気の中、ミユは突然立ち上がり、皆に向けて静かに宣言した。


「突然ですが、私、恋しました。」


その瞬間、教室が一瞬静まり返り、その後すぐにざわめきが戻ってきた。驚きと興奮が入り混じる生徒たちの反応が、教室全体に広がる。誰もがミユの言葉に耳を傾け、その続きが気になって仕方なかった。


「え、誰に?」「いつから?」すぐに質問が飛び交う。


ミユの親友ソラは驚きの表情で隣に駆け寄り、「ミユ、本当に? どうするつもり?」と問いかけた。ミユは軽く微笑んでいたが、その顔には少しの困惑が浮かんでいた。


「うん、でも…どうすればいいのかわからないよ。だって、学校で恋愛は禁止されているから…」


その一言で、さらに教室の空気が変わった。クラスメートたちは視線を交わしながら、思わず「そうだよね…」と口にする。学校のルールでは、物理的な接触、特にキスや恋愛に関わる行動は厳しく管理されていた。これは、感情をコントロールし、学生たちが感情的なトラブルに巻き込まれないようにするための規則だった。


「テレパシーキスなら大丈夫かもしれないけど、物理的キスなんてしたら絶対、強制退学だよ」と、別のクラスメートが冷静に言った。


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