シンクロニクル

第16話

感情の変換率を高める方法

ソラ、ミユ、ナユ、ツカサコ、アイラの五人は、学校での日々を送りながら、自分たちの特異な能力をさらに高めるための訓練を続けていた。特にテレパシーを用いたコミュニケーションや、感情の共有は彼女たちの成長に欠かせない要素だった。

感情の変換率

テレパシストにとって、感情を正確に伝える能力は非常に重要だ。しかし、ただ感情を送るだけではなく、その感情を相手に理解させ、共感を引き起こすためには、感情の変換率を高める必要がある。感情の変換率とは、自分が感じている感情を、相手にどれだけ正確に伝えられるかの割合を指す。

「私たちの感情の変換率を高めるには、まず自分の感情を正確に認識することが大切だ」とアイラが言った。彼女はクラスの中でも特に感受性が高く、テレパシーの訓練においても優れた成果を上げていた。

「それから、感情をどう言葉やイメージに変換するかを練習する必要があるの」とアイラは続けた。「感情を正確に伝えるためには、自分の内面を見つめ直し、言葉にできない感情をも表現できるようになることが大事なのよ。」

感情変換の訓練

訓練は主に二つのステップで行われた。まず、自分の感情を認識するための瞑想と自己分析の時間が設けられた。ソラたちは静かな場所に集まり、目を閉じて深呼吸をしながら、自分の心の中にある感情に集中する。

「今感じていることを言葉にしてみて」とアイラが声をかける。「それができたら、その感情をイメージに変換して。」

次に、感情を他のメンバーに伝える練習が行われた。各自が自分の感情を言葉やイメージにして、テレパシーを通じて他のメンバーに送る。受け取った側は、その感情をどれだけ正確に理解できたかをフィードバックする。

「私が送ったのは、喜びと興奮の混ざった感情だったんだけど、どう感じた？」ソラが訊ねると、ミユが「うん、すごくポジティブなエネルギーを感じたよ。でも、少し不安も混ざってた気がする」と答える。

「それは正しいよ。実は、新しいことを始める時のワクワクと同時に、ちょっとした不安も感じてたんだ」とソラが笑顔で答えた。

テレパシストとしての成長

感情の変換率を高める訓練を続けることで、ソラたちは互いの感情をより深く理解し合えるようになっていった。これにより、彼女たちの絆はますます強くなり、協力して困難を乗り越える力も増していった。

「感情の変換率を高めることは、私たちがテレパシストとして成長するために欠かせないことだと思う」とソラが言った。

「そうだね。私たちの道はまだまだ続くね」とナユが頷いた。