第12話
初恋は指数関数?
学校の昼休み、テレパシーを使って楽しくおしゃべりしているソラとミユが、最近アイラが研究している「感情の数学的モデル」について話題にしていた。特に、初恋という感情が数学的にどう表現できるのかについての話題が盛り上がっていた。
「アイラさんが言ってたけど、初恋って指数関数で表せるって聞いたよ」とソラが言うと、ミユが興味深そうに反応した。「どういうこと?」
するとアイラが近づいてきて、テレパシーで一緒に聞いていた。「初恋が指数関数で表せるっていうのは、感情の高まりが時間とともに急激に増加する様子を示しているんです。初恋のときめき感って、最初はゆっくりと始まり、時間が経つにつれて急激に感情が高まることがあります。これは指数関数のような曲線で表現できるんです。」
「なるほど」とミユがうなずく。「でも、初恋ってそんなに単純なものなの?」
アイラは少し考えてから、優しく答えた。「実は、初恋は単なる指数関数ではないと思います。初恋の感情はとても複雑で、多くの要因が関係しています。例えば、文化的な背景や個人的な経験、さらには一緒に過ごす時間や相手の反応なども関わってきます。これらの要素が組み合わさると、感情の変化はもっと複雑で、指数関数だけでは表せないこともあります。」
「それに、初恋って特異点みたいなものなんじゃないかな?」とソラが考えながら言った。「つまり、感情が急激に変化する点があって、その後はまた落ち着くってこと?」
アイラは微笑んでうなずいた。「その通りです。初恋は感情の特異点のようなもので、他の経験とは違う特別な感情の高まりがあります。しかし、それがどれだけ深いかは、数式ではなく、私たちの心の中で感じるものです。数学で完全に説明できるわけではありませんが、感情を理解しようとする過程が大切です。」
アイラは、数学的なアプローチが感情を完全に説明することはできないが、理解を深めるための一つの方法であることを伝えることができた。
学校の鐘が鳴り、昼休みが終わると、生徒たちはそれぞれの授業へと向かった。
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