150日の方舟

すべてを飲み込む

大洪水の日に

方舟はこぶねは空を目指した


出発のとき

600歳のノアが集めた

動物たちの鳴き声が

響き合って

汽笛になった


風に煽られた雲は

世界の果てまで

広がり伸びて

地球を覆っていた


方舟が漂着した

アララト山の

いただきは

雲の上


たくさんの命が

ガレ場を越え

ザレ場を滑り

倒木をくぐって

せせらぎを渡った


全てが死に絶えた

見知らぬ地上は

洪水で洗われて

神聖な匂いがした



それからまた

人間は増えていった

果たして正しく

増えていったのか


今日の空は

静かに青いばかりだ


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/822139837253653998


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