　夜、買い物帰りに猫に会った。

　にゃお、と鳴き声が聞こえたので右を向いたら、１メートル離れてるかどうかの距離に猫がいた。

　住宅街の中にひっそり佇む小さな鳥居に寄り添うようにおすわりしていて、逃げるそぶりはまったくなかった。

　にゃお、にゃおと何度も鳴く声が可愛くて、撫でようかと一瞬迷ったが、やめておいた。野良猫に引っかかれたら面倒くさいし、そもそも私、一応猫アレルギー持ちだし。

　ただ、そのままスルーするってのもなんだか感じ悪かったので、軽くお辞儀しながら前を通った。

　まんまるな顔が私に合わせて動いて可愛かった。

　猫の集会でもするのだろうか。もしかしたら困っていて、私に伝えたいことでもあったのかもしれない。

　でも、そこの道の人通りは少なくはないし、野良猫に餌をあげてる人もいるようなので、なんとかなるだろう。

　とは言ってみたが、今さらになって心配になってきちゃった……。

　まだ鳴いてたらどうしよ……

　やっぱモフってくるべきだった……？　

　ぜんぜん逃げないから逆に遠慮しちゃったの……

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい