朝凪
もうどこにもいけないんだ。そんな気がした。
私を運ぶ風はなくなってしまった。
目的地が分からなくなってしまったら、追い風も向かい風もない。そこにはただ凪があるだけ。
立ち止まっても、座り込んでも、風景は同じ。
なら、どこでもいいから進むしかない。
ここではないどこかに、私はいきたい。
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