散った

彼女が隣で線香花火を眺めている。

そこで夢だと気づいた。

「色々考えたんだけどさ、私と君の幸せの形は違うみたいなんだよね」

その台詞を聞くのがもう何度目か分からない。

火花が徐々に落ち着いてきて、彼女はこう言う。

「別れよう」

花火は散ってぽとりと落ちる。

この夢も散ってしまえば良い。

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