第16話

 確かにあれはえらい目にあったと思ってる。本当は怒りたい気持ちでいっぱいだったが令嬢や式の参列者にあちこちに謝罪することで忙しかったし、他の仲間奴隷達にもやんわりと止められたのでもういいやと思ってやってなかった。


 そもそも、今回3人メーニャ達を連れ出したというのも悪評たって問題を起こした領地では売れないと思ったからだ。


 「あ、あれね〜…あれはもう気にしなくていいよ。メーニャもルネもエレナも普段は優しいいい子だって知ってるからね。」


 そう言ってエレナの頭を優しく撫でてやる。そうするとエレナはより目を赤く輝かせる。


 「うん……ふ、ふん! あんくらいの事で気にされても困るわ、アンタは底辺商人なんだから仕事があっただけでもありがたいと思いなさい!」


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