リオ過去編-11 ダンジョン探索するぞー!

 オレたち整調者ピースメーカーが全員揃ってから2年が過ぎたんだー。なんだかあっという間に過ぎたなー。

 

 この間、オレたちは各地で発生した大量の魔獣を討伐するべく、大陸の各地を飛んでたんだぞー。そう!オレの背に乗って飛んだんだー!これなら地形なんて関係ないからなー!まー、青竜ほど飛べないけど、今だけなら2~3時間ぐらいは飛べるからなー!

 

 しっかし、いくら魔獣を倒してもいっぱい出てくるんだぞー。世界中に魔獣が発生しやすい場所がたくさんできてしまってるみたいだなー。これも大魔王のしわざらしいぞー。本当に迷惑なヤツだなー!

 

 

 そんな毎日が続いていたある日の事だったぞー。

 

 

「どうもこの国の近くにある洞窟から魔獣が湧き出しているようだぞ。このまま放置していたらスタンピードが起きるやもしれぬな」

 

「じゃー、そこを潰しとくかー?」

 

「リオ?そんなに簡単にできるものではありませんよ?おそらくダンジョン化してる可能性がありますわ。攻略するとなればそれなりの準備と時間が必要ですわよ?」

 

「ダンジョンー?聞いた事はあるけど、どんなとこかは知らんなー」

 

「ダンジョンならオレは入ったことあるぜ?ワナがたっぷり仕掛けられてるし、迷いやすい構造に作られた迷宮だぞ」

 

「オルは入ったことあるのね~?私も入ったことあるわよ~。それなら攻略は手早くできそうね~!」

 

「そうだな!オレとネータでワナ探知とマッピングすればサクサク攻略できるんじゃないかな?カーネ、攻略は任せてくれ!」

 

「そうか!二人も経験者がいるなら話は早いな!では、明日朝一で攻略するとするか!」

 

 

 こうしてダンジョン攻略する事になったんだなー。まー、オレは初めてだったからどんなとこかは知らなかったんだけど、ひどい目にあってしまうんだなー···。

 

 

 翌日···

 

 

「さて、今日はどのような方法で起こすとするかな?」

 

「今日は足を凍らせてやりますか!どんなリアクションするのか楽しみですわ~!」

 

「なんか、アイリは最近リオにいろんな起こし方試して遊んでるよな~!」

 

「でも~、リオのリアクションって横から見てても面白いからね~!最近面白いことと言えばこれよね~!」

 

 

 オレが気持ちよく寝てるのに、こいつらはこんな事考えてたなんて知ったのはだいぶ後だったけどなー!この日は足を凍らされてしまったんだぞー!

 

 

「ん~~?ハ、ハーークション!!うぅーー!さ、寒いぞー!?ふとんに入ってるのにー!?」

 

「ははは!今日はこんなリアクションだったな!なかなか面白かったぞ!」

 

「あー!?カーネ!?今回は何したんだー!?ハ、ハ、ハーックション!!あ、足が冷えるぞー!?」

 

「それはそうですわよ?足を氷魔法で凍らせましたからね!」

 

「アイリのしわざかー!!いい加減にしろー!!」

 

「早起きしないリオが悪いのですわ!早速ダンジョンに行きますわよ!」

 

「行く前にオレの足の氷を溶かさせろー!まともに歩けないぞー!!ハ、ハ、ハーックション!!」

 

 

 ホントにもー、こいつらはオレに対して尊敬とか大事な仲間だとか、そんな気遣いはないのかー!?朝からご機嫌斜めなオレは、またも朝食も食べさせてもらえずにダンジョンに連れてこさせられたぞー。

 

 

「さて、入る前にどういうフォーメーションで挑もうかな?」

 

「オレとネータが先頭で進むぜ。悪いが魔獣は頼む。あと、ワナには絶対に触るな・・・・・・よ?」

 

「わかった。魔獣は引き受けよう」

 

「わかりましたわ。指一本触れさせませんわ」

 

「まー、1対多数にはならんから、なんとかなるかなー?」

 

 

 事前に打ち合わせしてダンジョンに入ったんだなー。

 

 驚くことに、洞窟の中だってのに中は結構明るいんだぞー。どうも龍脈という星の魔力が流れているものの近くはこんな感じで魔力で壁が少し光るみたいなんだなー。

 

 そして入って5分ぐらいで、オルとネータが急に立ち止まったんだー。

 

 

「気をつけろ。ここには魔力地雷が仕掛けられている」

 

「ステルス機能付きね~。目で見えないワナを仕掛けてるなんて、ただ単に魔獣が住み着いたわけではなさそうね~。おそらく大魔王が絡んでそうね~」

 

「解除できそうか?」

 

「いや、ここは通らない方が良さそうだ。さっきの分かれ道を右にいけば迂回できると思う。風の流れから、向こうにつながってそうだからな」

 

「私も同意見よ~。ムリに突破せずに迂回しましょう」

 

「わかった。では少し引き返すか」

 

 

 んー?地雷ってなんだー?よくわからんが、迂回したほうがいいのかー?飛んでいったらいいんじゃねー?

 

 そう思ってオレは翼を大きく広げたんだー。そしたら···

 

 

 ドーーン!!

 

 

「うわーー!?」

 

「な、何事だ!?」

 

「ちょ!?リオ!?お前、なんてことしやがるんだー!?」

 

「なんでワナを作動させたのよ~!回避できたのに~!」

 

「ゲホッ!ゲホッ!えっ!?ワナを作動させただってー!?触ってないだろー!?」

 

「お前、なんで翼広げたんだよ!?翼が地雷のセンサーにひっかかったんだよ!ほら!爆発音に気づいて魔獣がわんさか来たじゃねーか!」

 

「仕方あるまい!さっさと叩くぞ!リオ!先制攻撃を加えろ!」

 

「お、おう!これでどーだー!今だぞー!カーネ!」

 

「よしきた!うぉおおおーー!!」

 

 

 なんと、オレのせいでワナが作動したんだってー。翼をちょっと広げただけなのになー。触るな!って注意も守ったのになー。

 

 

「ふぅ~。なんとかなったか」

 

「リオ!?ちゃんとオルとネータの話を聞いてましたの!?不用心過ぎますわ!」

 

「それは違うぞー、アイリ!ちゃんと『触るな』って注意は守ってたじゃないかー!事故だぞー!」

 

「あ〜、確かに守っちゃいたけどな~。ちょっと注意事項増やしとくか。ワナから離れろ・・・でいくか」

 

「オルも私も想定外だったわ~。リオがうっかり屋さんなのは知ってたけど、ここまでひどいとね~」

 

「ははは!まぁ、こうして全員無事だったから良かったではないか!次に気をつければいいじゃないか!」

 

 

 ···その次も引っかかってしまったけどなー。

 

 

「ぎゃーー!?」

 

「おっ!?予想通り・・・・落とし穴だったな~!」

 

「いや〜!リオは飛べるから、本当に落とし穴か確認する・・・・にはもってこいだったわね~!」

 

「ちょっとーー!?オル!ネータ!オレで遊んでないかー!?」

 

「遊ぶだなんてとんでもない!パーティーの安全確保・・・・のために役立ってるんだぞ?」

 

「仲間を守った、素晴らしい事をしたのよ~?これでリオ以外・・・・は確実に回避できたわけだからね~!」

 

「はぁ~···。リオがいるとワナ回避は難しいだなんて、思いもしませんでしたわ」

 

「アイリよ。これでいいと思うぞ?全員が無事ならな!ははは!」

 

 

 みーんな、オレがワナに引っかかるのを楽しんでるだろー!?しかも、この後もオレばっかりワナに引っかかってしまって、大爆笑されたぞー!


 なんでー!?なんでこんな事にー!?

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