第3話 おっさん、旅立つ
「さて、どうしたものかな……」
唐突にパーティを追放されてしまった俺。
一寸先は闇っていうけど、ホント人生は何があるか分からないもんだ。
なまじっか順調に上手くいってると思ってただけにダメージもひとしおだ。
健気に慕ってくれた頃のあいつらの顔が浮かびマジで凹みそうになる。
まあこういうおっさん臭い感性があいつらとの不仲を招いたのかもしれないが。
しかし本当にどうしたものか。
いざこうなってみると正直途方に暮れる。
ここ数年はあいつらを鍛え上げる事に夢中で……こんな風にこれから何をしようかなんて迷う余裕もなかった。
しかし今の俺には悲しい事に予定のない時間がいっぱいある。
つまり何をしようとも自由、という事だ。
幸いパーティ資産の一部を預かっていたので路銀に困る事はない。
餞別とはいえ、すぐに路頭に迷う事がないのは助かる。
倹約家なのでしばらくの間は働かなくとも暮らしていけるだろう。
問題は何をすればいいのかだが……
まあ俺も歳だ。
田舎に引き篭もってスローライフに取り組むのも悪くない。
忙しくて疎かになっていたけど、これまでの旅で世話になった奴等への挨拶回りもいいかもしれない
この街に居続けてあいつらと顔を見合わせても気まずいしな。
俺は旅に必要な日用品や食料を買い込むと、長年付き添ってくれて幾分かくたびれた装備と共に街を後にするのだった。
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